サービス業に「カイゼン」 首相官邸に企業人300人集結へ

総合サービス業に「カイゼン」 首相官邸に企業人300人集結へ

首相官邸で24日開かれる協議会に、サービス業にかかわる企業や業界団体のトップを中心にした300人超が一堂に会する。トヨタ自動車キヤノンなど大手製造業が持つ「カイゼン」のノウハウを共有し、世界的に低いとされる日本企業の生産性向上をめざす。

24日開かれるのは「生産性向上国民運動推進協議会」で、安倍晋三首相をトップに据える。参加するのは経団連の榊原定征会長、連合の神津里季生会長のほか、小売・飲食・宿泊・介護・運送の5分野の企業・業界団体トップら。この5分野でサービス業の従業員数の約4割を占める。24日は普段は海外の要人が訪れた際の式典を開くホールに椅子を敷き詰め、会議はすべて公開する。

会議ではトヨタやキヤノンなどが地方の中小企業やサービス業に生産性向上のコンサルティングをした取り組み事例を報告する。政府は分野別に具体的な生産性向上策を示す指針をつくる。

政府は2015年6月に開いた「サービス業の生産性向上協議会」を踏まえ、全国67の中小企業が製造業の生産性向上のノウハウを採り入れたところ、効果があったことから、枠組みを全産業に広げる。

政府はこれまで、働き方改革に力を注いできた。ただ、単純に労働時間を短くするだけでは、日本の国内総生産(GDP)や働く人の賃金が減ってしまう。そこで、働き方改革とあわせて生産性向上に力を入れ、労働時間の減少分を補うだけの生産方法の改善や、それにともなう企業の賃上げにつなげることをめざす。

もう一つのねらいは運輸業などの人手不足の解消だ。1人あたりの生産性を上げられれば、たとえば今まで4人必要だった作業を3人で回せるようになり、人手を確保できないことで業務やサービスを縮小する事業者が出るのを防ぐことができる。

政府は、生産性向上や人手不足の解消につながる取り組みの支援策を各府省の来年度予算の概算要求に反映する方針だ。このため、6月の成長戦略の策定を待たず、早い時期に協議会を設ける必要があると判断した。働き方改革から、次は生産性の向上に展開し、働く時間が少なくても賃金が上がり、経済成長につながるような仕組みを目指す。