アルバイト・パート, 派遣コンビニ、店員確保急ぐ 人材紹介会社設立や派遣会社と連携
大手コンビニエンスストアがパートやアルバイトを確保するための新たな取り組みを始める。ローソンは新会社を設立して加盟店に人材を紹介。ファミリーマートは人材派遣会社に加盟店専用の受付窓口を設ける。過去最高の出店を続けている影響でコンビニでも店員を集めにくくなっており、機動的に人手を採用できる仕組みを取り入れる。
ローソンは首都圏などで34店のコンビニを運営する加盟店企業、フュージョンズ(新潟市)と人材紹介会社「ローソンスタッフ」(同)を設立した。新会社はパートとアルバイトを募集。フュージョンズが運営する店で研修をしてもらった後に希望に合ったローソンの店舗を紹介する。無料でサービスを受けられる。
新会社は外国人留学生や高齢者を積極的に受け入れる。外国人には履歴書の書き方や言葉の使い方も指導。言葉が不自由な人には弁当などの工場を紹介する。高齢者には早朝の数時間だけおにぎりを仕込む人手が足りない店などを優先的にあっせんする。
ファミリーマートは人材派遣会社のアイズ・インターナショナル(東京・台東)と協力。7日から同社内に自社店舗で働くことを前提にした派遣窓口を設ける。募集や研修では別の派遣会社の協力も加わり、今月までに2社が参加する。
アイズはファミマとフランチャイズチェーン(FC)契約を結んで実際にコンビニの店舗を運営。派遣登録した人材に、約1週間かけてレジ打ちや調理の仕方などを教える。
人手が必要になった加盟店は専用窓口に連絡をすれば1日数時間単位から派遣を受けられる。まず首都圏の5千店を対象に受け付ける。
これまでもアイズではファミマ向けの派遣に約200人が登録。常に加盟店から派遣の要請があり、要望に応え切れていないという。専用窓口を設け、他の人材派遣会社の協力を得ることで派遣人数は月400人程度と2倍を見込んでいる。
コンビニの店舗は本部とのFC契約で運営している。地域で告知したり派遣会社に要請したりするなど、人手の採用はFCに加盟する企業や店が個別にしている。あらかじめ研修を受けた人材を希望の勤務先や時間帯に応じて配置できるようにすることで、店舗は必要な条件で人手を確保しやすくする。
最大手のセブンイレブンも3月、応募を一括で受け付ける専用のコールセンターを本部に設置。約1万7千ある国内の全店を対象に、加盟店の希望する条件に合った人材を探しだす。
コンビニの国内の総店舗数は5万店を超えた。1店で働くパートとアルバイトの数を20人で単純計算すると100万人が働いていることになる。ローソンでは国内に働いている約20万人のうち年間でおよそ10万人を新たに雇っている。
コンビニは14年度、大手5社で過去最高の4700店の新規出店を計画している。産業界全体に人手不足が広がるなか、コンビニは一定の認知度があり、仕事がマニュアル化されているなどの安心感から、今のところ外食産業のように営業縮小などの事態は招いていない。
だが、求人情報大手のリクルートジョブズ(東京・中央)によると、5月のパート・アルバイトの平均時給は三大都市圏(首都圏・東海・関西)で前年同月比1.0%高い954円で、11カ月連続で前年を上回っており、人手確保に伴うコストは上がっている。新たな仕組みでは研修を一括で手がけることで外国人や高齢者ら、潜在的な労働力を掘り起こす狙いもある。