総合中小企業、一緒に新人研修 他社の同期とつながりも
商工会議所などが開く新入社員研修に参加する中小企業が増えている。かつては「現場での教育」が中心だったが、ビジネスの基本を学んだり、社外に人脈をつくったりできる利点に注目する経営者が増えた。離職を防ぐ狙いもあるという。
「名刺とは相手の分身ですよ! 大事に扱ってください」。6日、京都商工会議所が開いた「京商ビジネススクール 新入社員研修」の会場に、講師の声が響いた。生徒は4月に入社した約130人の新入社員。京都市内の老舗油販売店に入った前田紳作さん(25)は、「勉強になることばかりで、刺激になります」と話した。
研修は2010年から始まり、今年は製造や販売、営業など計8コース15講座を用意した。期間中の17日までに、約1100人が参加する予定。最初の年の3倍以上に増えた。
会議所によると、研修を利用するのは主に従業員50~200人程度の企業。個人経営の商店や飲食店、税理士や社労士事務所も活用している。1コース1人1万円程度と、自前で研修するより費用も安くあがる。
新入社員にとっては人脈づくりに役立つ効果もある。森瑶子さん(22)は、同市内の和紙の卸売会社でただ1人の新入社員。「1人という不安もあったので、他社の同期と出会えてよかった。今後、悩んだときに相談できる関係になれればよい」と話した。
京都商工会議所の岩崎淳・人材開発センター次長は、「かつての中小企業は、先輩の背中を見て学ぶという意識が強かったが、人材育成への考え方が変わってきた。外部の同期とつながれることもあり、導入企業が増えている」とみる。
京都以外でも研修参加者は増加傾向だ。大阪商工会議所も4~5月にかけて約千人が参加予定で、5年前に比べて2割増。神戸商工会議所も、昨年比で2割増という。
