多様化するESなどの書類選考

新卒多様化するESなどの書類選考

近年の就職活動では当たり前となった「エントリーシート(ES)」。ESには志望動機や自己PRの他に、企業ごとにさまざまな設問が用意されていることもあります。

当社が昨年10月に行った企業調査によると、採用選考で、ESなどで書類選考している企業は全体の54・4%と半数を超え、大手企業では約6割(60・5%)に上ります。ESは設問数・制限字数ともに比較的ボリュームがあり、短期決戦とされる中、就活生には大きな負担となっています。

最近、そんなESを簡素化しようという動きがあります。ある中堅企業の採用担当者は「数年前までは、ESに経歴や志望動機、自己PRなど、あらゆる内容を書かせていたが、今は3つの質問に答えるだけに変更した。まずは、幅広い志向の学生をたくさん集めたい」と話します。その他、「紙での提出だったESを、ウェブからの提出に変えた」という企業も。「ES作成にかかる手間を減らすことで、自社への門戸を広げ、多様性のある人材確保につなげたい」と意気込みます。

一方、一部の人気企業では、かなりの労力をかけないと書けないようなESの提出を求めることもあります。わざと難しい課題を与えることで、「本当に入りたい」という学生を厳選採用したいと考えているのです。提出までたどり着く学生はかなり絞られますが、その分、限られた時間の中で、企業は学生一人一人に向き合うことができるというメリットがあります。

さらに、ESに代わり、学生がスマートフォンなどで撮影した1分程度のエントリー動画を選考の題材とする企業も出てきました。撮影テーマは、「学生時代に頑張ったこと」や「自己PR」など。中にはテーマを「自由」とする企業もあり、歌やダンスといった趣味・特技を披露したり、部活動に励む様子を撮影したりと、工夫を凝らした動画を作る学生もいます。

「ESを読み込むよりも、短い動画を見る方が得られる情報が多い」「学生の素顔を見ることができる」と、取り入れる企業は徐々に増加しています。最近の学生は、日常的に動画の視聴や撮影をすることも多く、「エントリーシート」よりも「エントリー動画」の方が、自分をアピールしやすいと思う人も少なくないようです。

今後一層、企業も学生も多様化する選考方法への柔軟な対応が求められるでしょう。