総合家事代行が職員採用拡大 ベアーズは1.6倍、カジーも3倍に
家事代行各社が職員の確保に乗り出す。研修の充実などを通じ、大手のベアーズ(東京・中央)は年内に前年比6割増の800人を新規採用。カジー(東京・千代田)も業務委託として働いてもらう登録者数を3倍超の5000人に増やす。計画通り採用できるか不透明な面もあるが、共働き世帯の増加で増え続ける需要への対応を目指す。
ベアーズは現場で掃除や調理を担う職員を800人採用する。パートや契約社員での雇用が中心。同社は約5000人の職員を抱えるが、需要が急増しており、2016年12月から2月まで定期利用者以外の単発の申し込みの受け付けを中止している。
春から研修の内容を改め、専門的な料理の作り方を教えるなどスキル向上につながる点や、週1日数時間から働くことができる点などをアピールし、人材を確保する。同社の売り上げは16年9月期で約40億円とその前の期に比べ約2割増えた。
カジーは業務委託する登録者数を約3倍の5000人に増やす。スケジュール管理や案件への応募が手軽にできる職員向けアプリの提供を始め、主婦らの隙間時間に働いてもらう。富裕層向けのミニメイド・サービス(東京・渋谷)も直営店での採用数を2倍弱の40人程度に増やす。
各社が採用増を急ぐ背景には需要の拡大がある。経済産業省の資料によると、家事支援やハウスクリーニングなどを含む「家事代行サービス」の市場規模は2012年度で約1000億円。共働き世帯の増加などで将来的には約6倍に膨らむとの試算もある。最近は人気ドラマの影響もあり、サービスの利用者は急速に伸びているという。
だが、各社の計画通りに人材を確保できるか不透明な面もある。
「仕事がきつい」とのイメージや、仕事そのものの知名度が低いため採用難が続き、増える需要に供給が追いついていない。有効求人倍率は職業全体より大幅に高い3倍台で推移している。
家事代行サービスの職員の多くはパートや契約社員、アルバイトで、時給は1時間1000~1500円あたりが一般的。主婦が週に数回働く例が多いが、収入が増えすぎると専業主婦世帯の所得税を軽くする配偶者控除が使えなくなるため、1人当たりの労働時間を大幅には増やしにくい。
政府が神奈川県などの国家戦略特区で外国人家事代行を解禁したが、まだ一部地域にとどまる。利用者側の抵抗感や、受け入れ体制の整備など配慮すべき点もある。ミニメイド・サービスの山田長司社長は将来の外国人の家事代行について「利用者の理解を得る努力をしつつ、研修制度を拡充していくのが重要だ」と指摘する。