SNSを利用した求人・求職活動をサポートする ソーシャルネットワーク

総合SNSを利用した求人・求職活動をサポートする ソーシャルネットワーク

FacebookやLinkedInといったソーシャルネットワーク(以下SNS)は、仕事を探す求職者、人材を求める企業の双方にとって重要なサービスとなった。ウエブサイトを基盤にしたコミュニティは、もはや社会インフラとしての側面を持っている。SNSは大手に加えて、プログラマー、ゲームデザイナー、アプリ開発者、UIデザイナー、看護師など、特定の業種や職種に特化したサービスもある。また、SNSの多くは企業のページや求人広告の掲載などの付加的なサービスも提供している。

SNSを活用する求職者はレジュメの登録に加えて、自分のスキルをアピールするために過去に制作した作品やプログラミングなどの実績を投稿して、企業からのオファーを待つという利用方法がある。一方、企業の採用担当者はLinkedInなどをソーシングのツールとしてジョブサイトと同じように、採用プロセスの1つに組み入れて利用している。

人事との関連性
米国で人気の高い採用方法の1つは、LinkedInを利用して採用したいポジションと同じ分野で活躍している人材の発掘である。潜在的な求職者にダイレクトなアプローチが可能であり、第三者である仲介者を立てて紹介してもらうこともできる。さらにレジュメだけでは判断しにくいスキルや実績、経験、人脈などを知るためにも活用できる。

サービス例

    1. LinkedIn:世界最大級のビジネス特化型SNS
      全世界の登録数は4億3,300万人以上(2016年8月時点)、つまり同数の個人のレジュメが登録されている。またアクティブな求人情報は700万件あり企業の採用方法の1つに位置付けられるなど、求人・求職活動の主流のサービスになりつつある。潜在化していた縁故を顕在化したサービスで、このサービスを利用したリファラル(知人紹介)も多い。他の「採用テクノロジー」のサービスもLinkedInをインフラとして接続しており、付加価値サービス化している。

 

    1. Facebook:Facebookの採用ページは企業のブランディングやコミュニケーションツールの主流SNS
      企業はFacebookに採用ページを作成し、採用ブランドを構築して、告知や個人とのコミュニケーションツールとして活用できる。リクルーターは候補者へ求人オファーの送信や、有力な候補者の個性やレジュメにない情報を知るために閲覧して採用選考の参考にできる。
    2. Stack Overflow:世界中のプログラマーが利用するQ&Aサイト
      質問を投稿すると別のユーザーが回答する、Q&Aサイト。優れた回答には質問者が高い点数を付与する。リクルーターは回答の質などをチェックし、プログラマーの人材探しに利用している。

 

  1. Treatings:フリーランサーの仕事仲間探しをサポート
    エンジニアやデザイナーなどのフリーランサーが、プロジェクトへの協力者を地元で見つけるためのアプリ。

ビジネスモデル(課金形態)

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ビジネスモデル1

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ビジネスモデル2

    1. 企業が求人広告の掲載料をサービス事業者に支払う
      企業は求人広告を掲載、採用ターゲットとする人材(顕在的求職者・潜在的求職者)に求人広告を配信する。

 

  1. 企業が登録者にコンタクトをとる為の料金をサービス事業者に支払う
    基本サービスは無料だが、有料サービスは、個人へのアクセスや個人的な人脈外の登録者とコンタクトを取ることができる。

将来の展望
SNSは急成長を遂げ、ビジネスに必要不可欠な存在となった。企業はSNS上にある豊富な情報をより有効に活用する方法を模索している。さまざまな問題に直面しながらもSNSは今後も成長を続けるだろう。近年ではLinkedInを利用しているプロフェッショナル人材は、リクルーターからのメールを読まなくなったという課題もある。

市場のシェアの大半はFacebook、LinkedIn、XINGといった大手が占有しており、今後もこの傾向は続くと思われる。一方、ニッチな目的に特化したSNSは、クリエーターやデザイナー、エンジニア、プログラマーが国を超えて専門知識を共有する場、評価する場になっている。
また、特定のプロフェッショナル人材がプロジェクトメンバーを構築する、オープンソースのサイトとして利用するなど多彩な使い方をしており、小規模ながらも存在価値が高い。将来的なリスクは、Google検索のような新しいサービスがより直接的なサービスを提供してこの領域を代替するかもしれないことである。

HRテクノロジーマップ

出所:TTL “Talent Acquisition Technology Ecosystem”を基に再分類し筆者作成(2016.10)