総合日経調査から(1)副業・兼業は「禁止」7割 本業への支障警戒強く
人口減に伴う人手不足が深刻になる中、政府は副業や兼業の普及で足りない労働力を補う考えだ。希望者も増えているようだが、上場企業の反応はいまひとつ。積極的に導入しようという機運を欠く。できるだけ終身雇用を維持し、一度採用した人に長く働いてもらいたい。そんな意識が浮かんでくる。
日本経済新聞社と日経リサーチが実施した働き方改革を巡る意識調査では、上場企業301社に副業・兼業への対応を聞いた。「禁止している」と答えた企業が全体の7割超に上り、「認めている」は2割弱。慎重姿勢は鮮明だ。
副業・兼業を認めていない企業に理由を複数回答で尋ねたところ、86%が「本業に支障をきたす」と答えた。会社側は従業員に仕事の掛け持ちを認めると、自社の本業に身が入らなくなるのではと警戒する。以下「情報漏洩のリスクが増大する」(46%)、「長時間労働のリスクが増大する」(44%)が続く。
実施を認めている企業は「社員の能力が高まる」や「社員の視点が広がる」を導入の理由としており、働き手にもたらす何らかのプラスが社業にも生きると受け止めている。「従業員の業務外の行動に介入しない」とする企業もあり、職場で成果を出してくれれば、一定の自由は認めるとの姿勢も垣間見える。
政府の「働き方改革実現会議」は3月末にまとめる改革の全体像で、副業・兼業など柔軟な働き方を進める方針を明記する。企業が参考にする厚生労働省の「モデル就業規則」も改定し、副業・兼業の容認姿勢を明確に打ち出す方向だ。
世の中の空気を解禁へ誘導しようとしても、上場企業はどこまでついていくか。実現会議では実例をもとに効果や問題点を突っ込んで議論する必要がある。
