長時間労働の是正、企業の7割超「最優先課題」 本社・日経リサーチ 働き方改革調査

総合長時間労働の是正、企業の7割超「最優先課題」 本社・日経リサーチ 働き方改革調査

上場企業301社の7割超が、長時間労働の是正を働き方改革の最優先課題としていることが、日本経済新聞社と日経リサーチの調査でわかった。労働時間でなく成果で賃金を決める「脱時間給制度」の導入を政府に求める意見も5割近くあり、働く時間の再設計をどう収益力につなげるかで企業は知恵を絞る。同時に実施した正社員の意識調査では、賃上げを求める声が目立った。

 

上場企業301社に自社で取り組む働き方改革の優先課題を聞いたところ、73%が「長時間労働の是正」を挙げた。「女性の活用」(67%)、「子育てや介護などと仕事の両立支援」(65%)が続き、「賃金引き上げ」は14%にとどまった。

労働時間のあり方について複数回答で聞くと、84%が「所定労働時間内の密度を高め、残業時間を短くする」を選んだ。「短時間勤務の導入」は36%、「フレックスタイム導入などで自由度を高める」は28%。政府は労働時間に上限規制を設ける方向だが、企業は規制強化だけでなく、多様な働き方を認めないと生産性も上がらないとみる。

上場企業の回答をみると、賃上げや副業、非正規雇用の処遇改善といった課題への関心は総じて低い。どれも政府が緊急性の高い課題と位置づけているのと対照的だ。政府が昨年末にガイドライン案を示した「同一労働同一賃金」の導入にも企業は慎重。働く人の意識ともやや食い違う。

政府に期待する政策を複数回答で挙げてもらうと、「脱時間給」が48%で最多だった。配偶者控除見直しなど「税や社会保障の制度見直し」が47%で続き、「解雇規制の緩和」も39%と高かった。いずれも政府の検討が進まず、企業も不満を募らせているとみられる。

働き方改革は一時的に企業の負担を増やす面もあるが、回答企業の7割が改革は「経営にプラス」と答えた。「人材採用で有利」「従業員の効率的な働き方が企業の生産性を高める」といった意見が出ており、働きやすい環境を整えることが優秀な人材の確保に直結するというのが企業の共通認識になりつつある。

 

一方、正社員の意識調査では、仕事で力を発揮する条件を尋ねた(複数回答)。上位は「安定した給与」(38%)と「人員の適切な配置」(37%)。給与水準の低下を警戒し、転職や離職にも慎重な姿勢が伺える。

政府の働き方改革実現会議への期待を複数回答で聞いたところ、上場企業では「社会保障など女性や若者が活躍しやすい環境整備」(55%)がトップだったのに対し、正社員では「賃金引き上げ」(42%)が最多。政府への期待でも微妙な違いが浮かんでいる。