女性雇用社外取締役に女性、3月期上場企業で142社 50社増
企業が外部から登用する「社外取締役」に女性を起用する動きが広がっている。東京証券取引所の上場企業(3月期決算)で、女性の社外取締役を導入した企業は、この1年で約50社増えて142社となった。企業は女性視点の発想を商品やサービス戦略にいかそうとしており複数を起用するケースも目立ち始めた。
三菱UFJ信託銀行が集計したところ、昨年の93社から1.5倍に増加した。安倍晋三政権が女性活用を推進し、「少なくとも1人の女性役員の登用」を掲げていることも背景にある。
著名人では、コナミが柔道指導者の山口香・筑波大大学院准教授を起用した。同社はスポーツクラブを運営しており「健康や教育の観点からの提言を期待したい」(コナミ)という。みずほフィナンシャルグループは元経済財政担当相の大田弘子・政策研究大学院大教授を登用する。
複数人の導入に踏み切る企業もある。ダスキンはパナソニックで家電の企画・開発を経験した籔ゆき子氏を招く。ダスキンでは「生活用品の購入者の大半は女性だ。消費者目線を取り入れたい」と起用の理由を説明。豊田通商は川口順子・元外相と藤沢久美・ソフィアバンク代表取締役を起用する。
女性の社外取締役を登用した企業は全体の6%となっており、今後も登用の動きが広がるかに注目が集まる。日本コーポレート・ガバナンス・ネットワークの富永誠一専務理事は「女性の登用で経営の多様性が向上し、成長につながる」と指摘した上で、「内部の女性社員の昇進につながる場合もある」と話す。
カゴメは提携先の、だし会社で社長をつとめる明関美良氏(34)を社外取締役に起用する。「育児経験もあり、女性の働き方の模範になってほしい」(カゴメ)と、女性従業員の士気向上につながると期待している。