スーパー、広がるシニア雇用 サミットは75歳までOK

総合スーパー、広がるシニア雇用 サミットは75歳までOK

スーパーでシニア雇用が広がっている。首都圏を地盤とするサミットは12月中旬からシニア従業員の雇用年齢の上限を70歳から75歳に引き上げる。70歳まで雇用するマルエツは65歳以上のシニア比率が6%を超えた。小売店では人手不足が続いており、経験豊かで即戦力になるシニア人材を生かし店の競争力を保つ。

サミットはパート社員の雇用年齢上限を60歳から65歳に延長する。パート社員が定年した後に再雇用する年齢の上限も70歳から引き上げて75歳まで働けるようにする。

サミットは60歳以上の従業員が全体の約2割を占めており、新制度で働く意欲の高い従業員の要望に応える。75歳まで就労できるようにするのは珍しく、年齢上限を引き上げることで新規採用にもつなげる。

スーパーをはじめ小売業界は人手不足が慢性化。厚生労働省によると小売業などを含む「商品販売の職業」の9月の有効求人倍率は2.07倍(パート含む)と前年同月比0.31ポイント上昇している。

スーパーはパートで働く女性が売り場を支えているが、所得税の配偶者控除の問題に加え、10月から実施された社会保険の適用拡大で「労働時間を延ばすことをためらう主婦も多い」(食品スーパー大手)という。

マルエツは15年2月期から直接雇用する従業員の年齢上限を65歳から70歳に引き上げた。現在は65歳以上の従業員が約1300人に増え、店舗で働くパートなどの従業員の6%強を占める。70歳以上のシニアも健康診断や面談などの条件をクリアすれば傘下の人材派遣会社に登録してから継続して働ける。

このほかにも茨城県が地盤のカスミは、10月から60歳以上70歳未満の従業員向けに新たな雇用枠を設け労働時間の上限を延ばした。「シニアパートナー」と呼ぶ職種で週に35時間まで働けるようにした。

パートやアルバイトの人件費は高騰している。リクルートジョブズがまとめた10月の三大都市圏(首都圏・東海・関西)の平均時給(募集時)は前の月と比べ7円高い996円と調査を始めた06年以降で最高額。レジなどの「販売・サービス系」は前年同月比で2.8%増の982円だった。

首都圏地盤のいなげやは4月からパートの定年を60歳から65歳に延ばした。成瀬直人社長は「技術の必要な鮮魚部門は特に人が集まりにくい。都内では時給が1500円になるケースも出てきている」という。新規採用のコストが上昇するなか、業務に習熟したシニア人材のつなぎ留めは各社の課題になっている。

シニア活用は働き手側の要望も根強い。流通や外食、繊維などの労働組合が加盟するUAゼンセンでは17年の春季労使交渉で「65歳への定年延長」や「定年廃止」などの制度改定を要求する方針を掲げている。シニアの雇用期間を延ばす動きは今後も広がりそうだ。