企業の採用意欲は変わらず旺盛

新卒企業の採用意欲は変わらず旺盛

ここ数年、企業の高い採用意欲が続いており、当社の調査では、平成29年卒業予定の学生の10月時点の内定率は91・2%。リーマン・ショック前の高水準に達しました。このままの採用意欲が翌年も続くのか、就職活動を控えた学生にとっては、非常に気になるところです。

実際に学生に話を聞いてみると、「夏のインターンシップに参加したら、企業から何度も連絡が来るので売り手市場だと感じる」「五輪が近づいてきたので、多くの企業が雇用を増やしビジネスを促進していくのでは」という楽観的な意見が挙がりました。

 

 

一方で、「ここ数年で採用しすぎた企業が、採用数を抑えるのではないか」という慎重な意見も多く聞かれました。アメリカ大統領選の結果やイギリスのEU(欧州連合)離脱などの世界情勢を受け、「日本経済に悪影響がありそうなので、採用数を減らす企業が増えるのではないか」と懸念する声もあります。

では、企業はどのように考えているのでしょうか。今年10月に実施した企業調査で、30年卒業予定の学生の採用人数見込みについて尋ねたところ、前年に比べて「増える見込み」と回答したのが14・1%で、「減る見込み」(5・6%)の2倍以上でした。「29年卒並みの見込み」と回答した企業は全体の62・8%。前年までの高い採用意欲は続き、さらなる採用増が見込まれます。

特にIT業界では、前年より「増える見込み」(19・5%)が「減る見込み」(4・3%)を大幅に上回っており、慢性的な人材不足による高い採用意欲は、衰える気配がありません。サービス業や流通・商社などでも採用意欲が旺盛です。金融業界では、前年より「減る見込み」(8・5%)が「増える見込み」(1・7%)を上回っています。ただ、「未定」が35・6%と、他の業界よりも高いため、今後、状況が変わることも予想されます。

実際、中堅の金融機関の採用担当者は、「短い広報活動期間のなかでいかに当社の良さを理解して、応募してもらえるかが重要。会社説明会やインターンシップの拡充を図りたい」と語ります。大手メーカーの担当者も、「法人を相手にビジネスをしているBtoBの企業は、学生に認知されにくいのが課題。広報活動に力を入れて、少しでも多くの学生に関心を持ってもらいたい」と意気込みます。

売り手市場はしばらく続くものと予想され、学生の心配は杞憂(きゆう)に終わりそうです。