総合リクルート株、高値圏を維持 海外開拓に成長期待
リクルートホールディングスの株価が堅調だ。8月下旬、取引先の大株主による株式売り出しを発表して急落したが、10月中旬には上場来高値を付け今も高値圏にある。販促メディアや人材関連事業が好調で「トランプ・ショック」の9日も株価は1%安だった。株売り出しの懸念は残るが、国内の人手不足と海外市場の開拓を背景にした成長期待が株価を支える。
10日発表した2016年4~9月期の連結決算は純利益が前年同期比47%増の478億円だった。子会社売却益という一過性の要因はあったが、売上高も11%増の8145億円と成長を続ける。同社が経営指標として重視しているEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)では、11%増の1042億円だ。
利益面で最も貢献したのが販促メディア事業だ。美容室予約サイトや住宅情報がけん引する。求人・転職情報などの人材メディア事業では売上高が16%増えた。海外は新規顧客の獲得で5割以上の増収となり、国内は逼迫する労働市場を背景に売り上げを伸ばした。
人材派遣事業は海外M&A(合併・買収)に伴うのれん代の償却を吸収し、4~9月期にEBITDAが1割強の増加になった。10~12月以降はオランダの人材派遣子会社も利益に貢献する。
連結ベースでみたEBITDAは「(前期比10%増の2230億円とする)通期の予想を上回る可能性が出てきた」と佐川恵一取締役は話す。株式市場では「海外での事業拡大という成長シナリオを明快に打ち出せている」(国内運用会社ファンドマネジャー)と評価する声が多い。
ただ、懸念は国内の不動産市場だ。高値警戒感から取引が減少すれば販促メディアへの影響は避けられない。取引先の持ち株比率は売り出しで10ポイントほど低下したが、なお3割台半ばが残る。企業が政策保有株を減らす動きは続いており、今後も潜在的な売り圧力となりそうだ。