雇用助成金を統廃合 厚労省、36を16に削減

総合雇用助成金を統廃合 厚労省、36を16に削減

中小企業が利用する雇用関連の助成金が大きく変わる。厚生労働省は現在36ある助成金を目的が似通ったものや利用が少ないものを中心に統合して16に削減する。稼ぐ力が伸びている企業に助成額を手厚くする対象も大きく広げる。最低賃金が10月から大幅に引き上げられたことを受けて、中小企業の収益力向上を後押しするとともに、使い勝手も向上させる。

雇用関係の助成金は、利用する企業の側から見てどういった助成金を使えばよいのか判断に迷うという指摘があった。そもそも数が多く、名称も分かりづらいことなどが理由だ。今回の再編では助成金や具体的な使途を示すメニューの名称を分かりやすくする。一つの助成金の下にほかの助成金が連なる「助成金内助成金」も使い勝手が悪い一因になっているとして、今回の見直しで全廃する。

助成金の中にはメニュー自体が過剰に増えているものもある。例えば職業訓練の費用を支援するキャリア形成促進助成金は助成の対象となる使い道ごとに16に分かれる。今回はそれらを4つに再編する。助成金全体では71あるメニューが59に減る。

予算の消化割合を示す執行率が低い助成金も再編の対象とする。予算の執行率が10%以下、もしくは執行額が1千万円以下のものは原則として廃止する。

厚労省はこれまで雇用対策を強化するために助成金をつぎはぎ的に拡充してきたが、ほとんど見直してこなかった。最低賃金が10月から全国平均で25円引き上げられたため、賃上げと雇用維持の両立を政策的に支援することが重要だと厚労省はみている。

改革のもう一つの柱は1人当たりの生産性が伸びている企業向けの助成金を手厚くすることだ。生産性は営業利益と人件費、減価償却費などを足し合わせた数字を雇用保険の被保険者数で割って算出する。直近の年度の1人当たりの生産性が3年前と比べて6%以上伸びていれば助成額を割り増しする。

生産性要件は非正規雇用者の処遇改善に取り組む企業に配るキャリアアップ助成金など、最終的に9つの助成金で導入される予定だ。経営が困難な企業が雇用を維持するためのものや障害者雇用関係などは除く。生産性要件を満たせば、助成金が定額の場合は元の助成額の1.2倍、経費の一部を助成する場合は助成率を10ポイント程度上乗せする。