総合優秀な人材探せ 変化する「採用手法」 社員紹介制度や野球観戦も
社員が紹介する知人や友人を優先的に選考したり、社外の人も参加できるスポーツ観戦イベントを開催したりするなど、さまざまな採用手法が企業の間で出てきた。人手不足が指摘されるが、求職者の中から有能な人材を確保するのに懸命だ。
◆年間20人
「うちの会社で一緒に働いてみませんか」。ゲーム事業などを手掛けるカヤックの社員が、週末に開かれた外部の勉強会で、他社からの参加者に声をかけた。
同社は平成26年7月から「ぜんいん人事部化計画」を導入。社員全員に「ファストパス」と呼ばれるカードを配布し、一緒に働きたいと思う人に手渡してもらう。受け取った人は書類選考を免除され、面接から始められる。約2週間で採用が決まった例もある。
柴田史郎人事部長は「会社説明会や求人サイトからの応募より、社風や働き方に合った人が来ることが多い」と話している。
毎年約20人を採用。初めの3カ月は契約社員としての勤務で、会社との相性をしっかりと見極めてもらうようにしているという。
◆社内の改善も
リクルートキャリアによると、社員紹介による採用は欧米では一般的だ。日本では数年前から外資系やIT企業の取り組みが注目され、最近は飲食業やサービス業など他の産業でも拡大しているという。
同社は27年9月、企業が社員紹介による採用を導入するのを支援するサービス「GLOVER Refer(グラバー/リファー)」を開始。これまで100社以上、2万人以上の採用で利用された。社員が勧誘する友人らに送るメールの文例を作成して社員の負担を軽減、候補者を紹介しやすくした。
事業開発部ソリューション基盤グループの高橋和彦マネジャーは「社員自身がその会社で働くことに意義や価値を感じられていないと、知人に一緒に働こうと誘わない。社員紹介の採用制度を導入するには、社内環境の改善が必要な場合もある」と指摘する。
◆イベント開催
勤務地に関係するイベントを開催することで、人材獲得につなげられないか、模索する企業も出てきた。
ITベンチャーのドリーム・アーツは10月14日、東京・恵比寿の本社オフィスでプロ野球のクライマックスシリーズファイナルステージ第3戦、広島対DeNAの観戦会を開いた。同社の役員や社員ら約40人の他、外部のIT企業などからも約20人が参加した。
同社は13年12月、山本孝昭社長の出身地の広島市に開発拠点を開設、現在十数人が在籍する。事業拡大のため3年後に100人体制への拡充を目標に掲げる。
吉村厚司取締役は「アイデアを形にできる前向きで優れたコミュニケーション能力がある開発者を求めているが、なかなか見つからない。観戦会という楽しい催しを通して、外部と広く接点を持っていきたい」と説明する。