採用は全社課題!社員1人ひとりが責任を持つ、ラクスルのリファラル採用とは?

総合採用は全社課題!社員1人ひとりが責任を持つ、ラクスルのリファラル採用とは?

〜優秀な人を連れてこれる人が評価される。リファラル採用を全社的に行うラクスルが、組織を成長させるための採用戦略から組織創りまで大公開〜

企業の成功にはさまざまな要因があるが、なかでも共通して言えることのひとつが「人」ではないだろうか。

近年ベンチャー企業は、リアルとITとを融合した事業モデルを持つことも多い。すると必然的に、多様な分野のプロフェッショナルが集まることになる。そして、そうした会社は、組織創りもまた複雑になる。

名刺やチラシなどの「ネット印刷」という事業を展開する株式会社ラクスルも、そういった企業のひとつだ。様々なスタートアップの創業に携わり、ラクスルの創業メンバーである人事マネージャーの河合聡一郎さんは、「事業創りは仲間創り」と語る。

同社では、強い組織をつくるために、「リファラル採用」(社員からの推薦・紹介によって人材を獲得する採用手法)にも取り組んでいる。今回は人事マネージャーである河合さんに、リファラル採用を全社的に推し進める採用戦略から組織創りまで、幅広くお話を伺った。

※肩書きは取材時のもので、現在は新規事業・ハコベルのセールスから組織作りなどを兼務しています。

スタートアップで気がついた。事業や経営に必要なのは「人」

僕はラクスルで人事部のマネージャーとして、採用に関する制度創りなどを中心とした、組織創りを主に担っています。

株式会社ラクスル 河合 総一郎さん

「人事」は、一般的に採用や評価・制度創りが仕事だと思われている面もありますが、本質的には「事業を成長させるための組織創り、運用に関わるすべて」が人事のやるべき事だと思っています。

以前、あるスタートアップの創業に携わっていたのですが、その時にスタートアップと組織創りって、すごく面白いなと思ったんです。新しい人が加わるだけで事業のスピードが変わっていくのを見て、「人が事業を創りだす源泉だ」と感じたのです。

最近では、色々なところから組織創りに関して相談を受けるようになってきました。その会社の事業計画を聞いて、どういう組織体がいいのか、採用の在り方などをお話させていただいています。

多様な人が集まるからこそ、バリューを定義することが重要

弊社はビジネスモデル上、組織形態としてなかなか複雑な一面も持っています。

インターネットの会社なので、サービスを創るWebエンジニアやプロデューサー、ディレクターはもちろん、生産管理として印刷会社と交渉したり、お客様をサポートするコールセンターのチームもいたりします。

それぞれ雇用形態もバラバラですし、仕事の内容や成果の定義も違います。それらを一つの「組織体」として融合し、まとめていくため、常に最適なバランスを考えていく必要があります。

株式会社ラクスル 河合 総一郎さん

多様な人が集まるほど、ビジョンへの理解や想いにも差が出ます。共通の文化を持つことが難しくなっていくんですね。そこで、「共通認識」としてきちんとビジョンやそれに紐づくバリューを定義し、行動規範に落とすことが重要かなと思います。

ラクスルでは「ラクスルスタイル」と言う、6つの行動規範を作り、社員全員に共有しています。「ユーザードリブン」「フラット思考」「完璧より最速」「オールスクラム」「1%改革」「フルオーナーシップ」の6つです。社内合宿では、メンバーに繰り返しこの「ラクスルスタイル」を伝えて浸透を図りました。今は、採用の基準としてもそこが合致するかを見ています。

事業創りは組織創り。経営陣のコミットは必須!

採用ということでいうと、人事としては、「必要な人材を、どのようなタイミングで採用し、その後どう活躍してもらうのか」をひたすら追っています。これさえ気をつけていれば、手法は別になんでもいいと思っています。

今は、ビジョンとマッチした人が採れ、コストが低いという理由からパフォーマンスやカルチャーフィットが高いという理由から、ダイレクトリクルーティングとリファラルリクルーティングを主な手法としています。この2年で30人ほどに入社していただきましたが、ほとんどがその2つの手法です。

株式会社ラクスル 河合 総一郎さん

事業を創って伸ばしていくというのは、結局は組織を成長させていくことなんですね。組織を創れないなら、事業が伸び悩むのも当然だと思います。そしてそう考えると、経営陣の採用へのコミットは、なくてはならないんです。

リファラルリクルーティングに成功されている企業さんは、経営陣がまず人を紹介しますよね。そこでやっとメンバーが動いてくれるわけです。実際に弊社でも私が一番人を連れてきていますし、経営陣のコミットも相当なものです。

週に1度、経営陣を交えて進捗確認や今の組織の課題についてヒアリングを実施しています。採用人数やその打ち手の議論はもちろん、組織の方向性や課題などについてもシェアをします。また、情報は「Slack(スラック)」のチャンネルでリアルタイムに共有し、スピード感も損なわないようにしています。

全社的に採用に取り組んでもらうためには?

また、採用を全社的に意識してもらうために、評価基準にも工夫を凝らしています。組織作りを評価項目にいれていて、人を連れてくることを推し進めています。

特にグレード(立場)が上になればなるほど、優秀な人材を連れてくる必要があると思っています。それができていなければ、組織創りに貢献していないともいえますよね。

全社的な意識付けという意味だと、「Wantedly(ウォンテッドリー)」をうまく活用しています。他の企業さんですと、採用に関わる人だけが管理画面の閲覧や、求人の編集ができると思うのですが、弊社では募集職種の部門に携わる人全員が、それをできる権限を持っているんですよ。

僕がスカウトの要件や求人のひな形、応募者とのコミュニケーションのテンプレートを作った後は、各チームが求人を作成し、スカウトも送信するという形で、採用活動に関わってくれています。

株式会社ラクスル 河合 総一郎さん

ブラックボックスになりがちな採用状況は「見える化」

もちろん、会社全体で採用に取り組んでもらうためには、情報共有を怠ってはいけません。「今どんな募集があるんだっけ?」「進捗はどうなっているんだっけ?」と、メンバーに聞かれないことを目標にしています。

採用って、ブラックボックスになりがちですよね。どの募集がオープンなのかわからなかったり、急に人の紹介を頼まれたり…。そういった事態を防ぐために、「週報」で会社としての採用進捗を見える化しています。

具体的には、全体の進捗状況に加えて、募集しているポジション、社員の紹介進捗、エントリー状況、スカウトの送信やその返信状況、セットしている面談数などです。細かく指標を立てており、それらに対してどれだけミートしているかも見ています。

すると、採用に対しての興味はもちろん、それぞれの活動状況や、だれがスカウトを送ると反応が良いのかもわかったりします(笑)。センシティブな情報ももちろん一定数ありますが、精査した上で出すことで、社員の紹介が増えたり興味を持ってくれたりと、良い流れを作れるんです。

全社的な採用の動きは、信頼関係から生まれる

ダイレクトにしてもリファラルにしても、社員の協力なしでは成しえません。そのため、メンバーとのコミュニケーションは、積極的に取るようにしています。

例えば、人を紹介してもらっても、残念ながら採用できないという結果になってしまうこともあります。こういうときこそ、普段の信頼関係が活きてくるのではと思います。

NGとなったときも、紹介してくれた方に丁寧に理由や背景を伝えて、納得してもらうことが大切だと思います。現場と経営陣の間で採用においてのギャップがどこにあったかなどを、細かく伝えるようにしています。

ある意味、「河合さんが判断したならそうなんだろう」と思ってもらいたいんです。普段からコミュニケーションをとったり、情報もオープンにすることで、信頼関係ができていれば、そのような関係性を作っていけるかなと。

今後、弊社がどういった組織体であるべきか、そのためには今何をするべきなのかは、常に考えています。

株式会社ラクスル 河合 総一郎さん

もちろん、プロフェッショナルでスキルの高い人に集まって欲しいとは思いますが、同時にオペーションを回す人材もしっかりと評価、活躍できる環境を作りたいですね。様々な人材が融合する、強い組織を作っていければと思っています。