紹介広がる新卒人材紹介事業…ほっとニュース
就職を希望する学生を企業に引き合わせる「新卒人材紹介事業」が広がっている。
転職仲介会社のほか、教育産業からの参入もあって注目されるが、就職活動期間の繰り下げなどで、思うように採用が進まない中小企業の利用が多いようだ。
「企業名にこだわらない就活ができました」。10月1日、新卒人材紹介会社「ベネッセi―キャリア」を、中堅IT企業に内定した駒沢大4年の男子学生(23)が訪れ、企業を紹介してもらったコンサルタントにあいさつした。
同社は通信教育会社「ベネッセホールディングス」と、人材派遣会社「インテリジェンス」が今春設立。インテリジェンスの新卒人材紹介事業を引き継いだ。
ベネッセi―キャリアでは、学生が登録すると、コンサルタントが面談し、無料で自己分析や面接の練習を手伝いながら、学生の性格や適性などをみる。一方、登録した企業からは、どんな資質や能力などを求めるか、聞き取っておく。要件に合致しそうな学生がいた場合、コンサルタントはその学生に企業名を知らせ、同意を得られれば引き合わせる。最終的に学生が入社を決意すると、同社は企業から約80万円の報酬を受け取る仕組みだ。
男子学生は当初、大手金融機関を希望していたが、コンサルタントは「サッカー同好会で培った協調性が本人の強み」と判断し、仕事上チームワークを重視するIT企業を紹介した。
大竹航・新卒事業本部長は「学生を無理に売り込むつもりはない。人気企業に流されやすい学生や、有名大生を欲しがる企業の視野を広げ、橋渡しをしたい」と話す。
社会人の転職を仲介する人材情報会社「アイデム」も、2012年から同様の新卒人材紹介事業を手がけてきた。登録している16年卒業予定の学生は約7000人で、登録企業も600社にのぼる。事業の対象を理系学生らに限定していた「リクルートキャリア」も、昨年度から文系学生を加えるなど、動きが活発化している。
ただ、こうした新卒人材紹介事業では、転職希望の社会人と異なり、学生に職歴がなく、持っている技能も明確ではない。アピールポイントが具体的になりにくく、評価が難しい。このため、様子見の企業も多く、紹介会社に主に登録しているのは、希望する人材が集まりにくい中小企業だという。
人事コンサルティング会社「レジェンダ・コーポレーション」の坂蓋隆史マネジャーは「企業には就職情報サイトによる募集を補える利点がある。学生は紹介会社だけに頼らず、就活を進める一つの方法として活用すればよい」と話している。(石川純)
どう利用する?
Q 新卒人材紹介事業を利用するには?
A 紹介会社のウェブサイトなどを通じて登録する。その際、学歴や学生時代の成果などを記入することが多い。
Q 学生はどんな支援が受けられるのか。
A 無料で自己分析や面接対策など、様々な就職相談に乗ってもらえる。紹介先企業の選考で不合格になった場合は、その理由をコンサルタントを通じて知り、就活の改善につなげられる利点もある。
Q 企業を紹介されたら、会ったほうがよいのか。
A 自分で納得がいかない場合は、会わなくてもよい。また、紹介先の企業から内定が出た場合、その企業への就職を強要する会社もあるという。そうした場合は、きっぱり断ったほうがいい。
