人材紹介の手数料上昇 IT・建設技術者5ポイント以上 企業、人材確保優先で高騰

紹介人材紹介の手数料上昇 IT・建設技術者5ポイント以上 企業、人材確保優先で高騰

人材紹介大手が顧客企業から受け取る手数料が上昇している。中途採用のニーズが高いIT(情報技術)や建設の技術者は、数年前に比べ5ポイント以上高い料率での成約が増えてきた。人手不足が続くなか、企業は人材の確保を優先して採用費を積み増している。

企業は中途採用の意欲が高まっている(転職フェアの様子)

企業は中途採用の意欲が高まっている(転職フェアの様子)

 

紹介料率は転職先の年収の30%前後に設定するのが業界慣行だった。紹介数と比べ景気の波に左右されにくかったが、バブル期以来の人手不足を背景に、過去2~3年で「5~10ポイント上昇した」(ランスタッド=東京・千代田)、「50%となる例も出ている」(エン・ジャパン)との声が相次ぐ。

上昇が目立つのはシステムエンジニア(SE)などIT系の職種だ。募集人数の多いシステム会社の場合、「一時的に通常の2倍の料率で成約する例もある」(アデコ=東京・港)。ビッグデータを分析するデータサイエンティストの紹介料率も高騰している。

2020年の東京五輪を控え、工事に欠かせない施工管理技士の紹介料率も上昇している。「人手の確保が売り上げに直結する業種は紹介料率が上昇している」(インテリジェンス)

不足が慢性化する看護師の紹介料率も上昇している。事務職や営業職は従来の料率で成約するケースが多いが、知名度が低い中堅企業などは手数料を上げて募集に踏み切る例も増えている。

リクルートキャリア(東京・千代田)によると、中途採用の求人倍率は2月に前年同月と比べ0.14ポイント高い1.82倍となった。なかでもIT系エンジニアは3.67倍、建設エンジニアは4.41倍と不足が著しい。

ハローワークや求人広告では人材を集めにくくなっており、人材紹介で中途採用する職種の裾野も広がっている。紹介料がかかるが、要件に見合う人材を確保できる可能性は高まるためだ。飲食店の店長や製造工を人材紹介会社経由で採用する企業も増えている。

採用費の高騰を背景に就職希望者に直接接触する「ダイレクトソーシング」を強化する企業も増えている。フリマアプリのメルカリ(東京・港)は中途採用の約6割を社員紹介が占める。今のところ人材紹介と併用する企業が大半だが「将来は淘汰が起こる」(人材紹介大手)との指摘もある。