中途求人倍率上昇も就職者数は5年ぶり低水準 14年7~9月
企業の求人意欲を示す有効求人倍率は高いのに、実際に職に就く人が減っている。2014年7~9月期の就職者数(季節調整値、新卒除く)は50.5万人と2四半期連続で減り、09年4~6月期以来の低水準だった。企業が求める人材と求職者のすれ違いが広がっているためだ。減少傾向は10月以降も続いており、統計での求人増ほど就職は改善していない。
この就職者数は民間の紹介ではなくハローワークを通じて職に就いた人数で、新卒者を除く。7~9月期は4~6月期より1.5万人減り、直近のピークである11年10~12月期と比べ5.7万人少なかった。10~11月の実績から推計すると10~12月期も50.1万人と前期を下回り「3四半期連続で減る可能性が高い」(ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査室長)。
7~9月期の就職者数(原数値)を職種別に見ると、前年同期と比べ最も減ったのは介護・飲食などのサービス業だった。小売りなど販売業、医療・建築などの専門職、建設業、製造業も減少が目立つ。
仕事を探す人1人に対する求人件数を示す有効求人倍率(季節調整値)は11月に1.12倍と22年半ぶりの高さとなった。ただ内訳を見ると、ハローワークに求人を出しても人が集まらず、約3カ月の有効期限が切れて改めて出し直した「更新求人」が増えている。
更新求人は宿泊・飲食業や建設業、娯楽業が特に多い。ハローワークを使う求人は無料なので、企業は人手不足のときは採用に結びつかなくても、求人を積み上げやすい。求人倍率の分母となる求職者の数も減り続けている。「希望した仕事が見つからず、仕事探しをやめる人も増えている」(総務省統計局)という。少子化に求人と求職者とのミスマッチが重なり「求人倍率の伸びほどには働く人が増えなくなっている」