中途職者9000人のホンネを調査!「転職者心理 2016」
- 有効求人倍率1.37倍。全国でも1倍超。採用難だからこそ転職者の心理をつかむべし!
- 転職を考えるきっかけの1位は「給与・待遇への不満」。全体の2人に1人が重視。
- 20代、30代、40代の転職の傾向と、辞退対策!
募集、面接、辞退防止の検討に役立つ!転職者9000人のホンネ!

2016年8月末時点で、有効求人倍率は全国平均が1.37倍。全都道府県全てで1倍を超える、売り手市場が到来しています。企業にとっては、優秀な人材の中途採用が一段と難しい状況。応募者数が集まらない、選考辞退者が増えた、など人事採用担当者からの声が届いています。
このような状況はまだまだ続く見通し。中途採用を成功させるためには、転職者の気持ちや転職にかけるホンネを知り、募集、面接、選考の対策を練ることが重要になるはずです。年代別の調査結果も網羅した本特集、「転職者心理2016」をぜひご参考ください。
アンケート回答者の属性
『エン転職』の会員に対するアンケート結果を元にしています。
アンケート手法:WEBアンケート
アンケート期間:2016年9月1日(木)~2016年10月2日(日)
回答者:9,227名
アンケート手法:WEBアンケート
アンケート期間:2016年9月1日(木)~2016年10月2日(日)
回答者:9,227名


転職を考えたきっかけ。全体の2人に1人は「給与・待遇への不満」

まずは、全年代の転職者に「転職を考えたきっかけ(複数回答可)」について伺いました。全体の1位は「給与・待遇への不満」48%。ほぼ2人に1人が回答する結果となっています。 具体的な転職者像をイメージしていただくためにも、以下にフリーコメントを抜粋します。ご参考ください。
「給与・待遇への不満」を挙げた転職者の不満コメント
- ●賞与や昇給がない。
- ●年収をあげたいと思った。
- ●年俸制になり、残業しても残業代がつかない、休日出勤しても、振替休日もとれないし、金にもならない。交通費もつかない。全て年俸制に込み。込みの割には安い。
- ●有給日数を制限されている。昇給しない。
- ●結婚をして、今の給料では大変なため。
- ●功績が認められ、階級は上がっていくのに給料が変わらず、結果、責任だけが増えたため。
- ●残業がなくなり収入が減った為、収入アップの為に転職を希望。
- ●業務縮小により仕事が減り、残業無し、昇給無し、ボーナス無しになった。
いくら仕事を頑張っても「昇給がない」ことを挙げる不満コメントが散見されています。定期昇給がない企業は数多いですが、どこかのタイミングで仕事の成果をきちんと給与で還元して欲しいというホンネが見て取れます。 見方を変えれば、定期昇給や賞与のタイミングがあること、加えて実績を打ち出すことができる企業は、約半数の転職者には転職先として魅力に映ります。募集段階、選考段階できちんと明示していくことは、有効となる可能性が高いと思われます。
「仕事内容への不満」「成長実感が持てない」を挙げた転職者の不満コメント
- ●会社と現場との温度差を感じ、こういうのはどうか、と投げ掛けてもその時は「聞いて」いても何も変わらないし「決まったので」と言われてしまう。
- ●会社の方針が自分の考えに合わなくなった。
- ●自分としては力をかけた仕事について、そこまでしなくても、と上司から言われたことがきっかけです。
- ●自分に合っていないと思っていましたが、何年間か続ければ楽しく思えるかと考えていました。しかし、6年間自分なりに頑張りましたが、楽しいと思えないし、この仕事ならやっていけると思えなかったため。
- ●仕事が少ないため時間を持て余し、やりがいを感じない。
- ●もともと化粧品関係の仕事に就きたかったが叶わず今の会社に入社し、日に日に興味のある分野で働きたいと考えるようになったから。
転職のきっかけ2位は「仕事内容への不満」37%。3位は「成長実感が持てない」28%。コメント内容からは、「会社の方針」や「仕事のやりがい」に関して自身と合っていない、または合わないようになってしまったという回答が多くありました。将来に向かってこのすれ違いが改善されないと思うことが、転職活動へのトリガーになっています。
以上が、多かった転職への動機となります。人それぞれ項目の濃淡はあるものの、上記のような傾向があることは、採用戦略策定において人事・採用担当者が押さえておくべきポイントです。もし自社に入社した場合、再現性のある不満にもなりかねませんので、面接選考の際に「その不満は自社でも起こりうるのか、起こらないのか」きちんと確認しておくべきでしょう。
前ページにおいてお伝えした、1位「給与・待遇への不満」、2位「仕事内容への不満」、3位「成長実感が持てない」は、20代、30代、40代別に分けても同じ結果となりました。4位以降で年代ごとに特徴がでておりますので、そちらを確認していきましょう。
20代では、「労働時間の増加」、「他にやりたい仕事が見つかった」が
他年代より高い
他年代より高い

コメント
- ●残業が多い(40~80時間)、人の入れ替わりが激しく人が育たないため自分・職場・会社の将来に希望が持てない、30歳になる前にキャリアチェンジしたい。
- ●デザイン、広告業界なので土日祝日出勤は当たり前。夏休みもまともに取れたことがなく、まとまった休みをとることができないでいること。仕事は楽しいので、案件の量が多い事による時間の束縛と収入があっていない事による不満が大きいです。
- ●高校卒業してずっと介護の仕事をしてきたので、他の仕事をしてみたいと思いました。
- ●前に携わった仕事の関連でとても興味がわくことに出会った。
- ●地元で働いていたのですが若いという事もあり思い切って東京などで仕事がしてみたいと思いました。
- ●30歳になる前に今まで以上に接客対応の向上を目指し、世界の玄関である東京で経済の流通がどうなっているのかを学びたいからです。
上記コメントにあるように、20代では、「労働時間の増加」、「他にやりたい仕事が見つかった」という動機が、他年代より高い傾向が見て取れます。キーワードは「30歳になる前に」。20代でがむしゃらに仕事を頑張った結果、仕事量や時間が増加して不満を感じてしまったり、他職種・他地域に魅力を感じる人が増えるのは、理解できる転職動機でしょう。
30代では、「評価・人事制度への不満」が他年代より高い傾向

コメント
- ●努力が報われない。評価制度が確立されておらず、待遇や給与への反映がない。そういった会社の体質を改善する意欲のない上司への不満。
- ●サービス残業が黙認されている。経営者側も仕事内容や社員の現状問題、モチベーション等が把握されていない気がする。問題が起きても上役は責任を取らず、部下に責任転換させる。
- ●会社の評価方針や社長の発言等に不明確な部分が多く、社員やスキルを育てる環境ではないと思った為。
- ●社員の離職理由を追究せず、会社の体制を考えない社長の考え方についていけなくなった。30年以上運営しているのだから人事や育成に口を出すなという体制に失望した。また、労働に対する給与体制も見合わなくなってきた。
- ●会社が掲げる理念と実態のギャップ。
- ●仕事量の割に男性社員との基本給の差と査定の差が激しい。
30代の転職のきっかけとして、他年代よりも顕著なのは、「評価・人事制度への不満」でした。自社の課題点に気が付き、改善を提案するものの受け入れられない。そんな中堅としての苦労が見て取れます。旧態依然とした企業や、中小規模で社長の意向が強く反映される企業に在籍している30代からのコメントが多く見受けられました。風通しの良い社風や、明確な評価基準を求人情報として提示できる会社であれば、30代のミドル層に響く確率が高まるでしょう。
40代でも、「評価・人事制度への不満」、「上司との人間関係の悪化」が他年代より高い

コメント
- ●上司による個に対するサービス残業の強要。残業記録を残さないように、タイムカードの廃止ならびに規定違反。
- ●人間として尊敬できる、ついていきたいと思えるような管理職が周りにいない。管理職に相応しくない人の登用が多すぎて、会社が全く成長しない。
- ●気分的な形での人事登用制度の部分があり、結局それであがった人は、力がついてこないから退職してしまう。
- ●どんなに結果を出しても評価が上がらず、上司と相談しても解決しなかった為。
- ●先輩等々との人間関係の悪化とか、課内での派閥抗争(関東VS関西、主流派VS反主流派)が嫌になりました。ある意味で課長に胡麻を擦る人物が出世する人事も退職(転職)したい理由でした。
「給与・待遇」「仕事内容」「成長実感」が、内定受諾と選考辞退の分かれ道
いざ採用、選考が進んでいると、給与・待遇の問題は忘れがちです。しかし、どの年代を通しても「給与・待遇」への不満は常に転職を決意するきっかけとして不動の一位。内定出しをした際に初めて、給与の見込みや昇給・賞与への認識が違っていたと気がつけば、大きなショックを受けるはずです。
もちろん「仕事内容」「成長実感」のすり合わせができていれば内定受諾する転職者もおりますが、競合他社の給与・待遇提示が高ければ、そちらに逃げてしまう可能性は大きくなります。そのために、年収の希望や具体的な金額は、選考の早期段階ですり合わせましょう。早い段階で見込み違いとわかれば、別の方の選考に時間をかけた方が効率的なはずです。上記3点の転職動機を筆頭に、年代ごとの転職動機を見越して、採用成功に繋げてください。