新卒大学3年生、就活はや号砲 「短期化」…実は長期戦に 夏のインターン4割増
2018年卒業予定の大学3年生の「就活」がはや始まっている。来年の就職活動に備え、業界研究や社会勉強のためインターンシップ(就業体験)に参加する学生を受け入れる企業は今夏、前年比で約4割増える。3日までに来春卒の大学生(大学院生含む)の約7割が内々定を取るなど売り手市場が続く中、企業が早めに動き出している。経団連の指針見直しで今年、就活期間は短縮されたが、実質的な「就活」は長期化する。

主要な就職サイトに掲載された今夏実施のインターンは延べ8600社。文部科学省などはインターンを採用活動に結びつけないよう求めており、経団連も「採用につなげない」としている。ただ、現実は学生の資質を把握できるインターンを採用に生かす企業も増えている。
経団連に加盟しないサイバーエージェントは「採用直結型」のインターンに取り組み、5日から18年卒となる大学3年生を念頭に置いたインターンを始め、約200人が参加する。同社は来春卒業予定の内定者150人のうち約4割が前年夏のインターン経験者だ。
企業が就活を念頭に置いたインターンを実施するのは、ベンチャーや外資による人材囲い込みが激しくなっているためだ。
また経団連の指針見直しで、採用面接などの開始が8月から6月に変更。来春入社予定の学生の就活期間は前年より2カ月短くなった。学生や大学から「業界や企業研究の時間が短かった」との声が漏れる。学生と企業のミスマッチによる離職も懸念される。
インターンは学生が企業や業界について学べるチャンス。企業にとっても学生に自社を詳しく知ってもらえるため、就活期間の短縮を補う機会となる。
富士ゼロックスは大学から学生をインターンに参加させたいという要望もあり、8月末に実施するインターンの定員を約80人と前年より20人増やす。アイデアコンテストなどを通じて「社会人になる経験を積んでもらいたい」という。
早期に実体験を通じた職業観を養ってもらうため、経済同友会は今夏から花王や全日本空輸など17社と上智大学など11校と連携して、1~2年生を対象としたインターンを始める。
ただ実際は玉石混交だ。経団連は「インターンは5日以上に」としているが、採用コンサルタントの谷出正直氏は今夏にインターンを実施する企業の約6割が1日だけの「ワンデーインターン」だと指摘する。「入社希望の学生の情報を集めるだけ」(就職情報会社)の傾向が強まっているという。
文科省や経済産業省がインターンを通じた採用活動の解禁についての議論を始めるなか、あるべき姿が問われている。