新卒インターン通じた採用、新卒へ解禁を議論 3省が検討会設置へ
文部科学省や経済産業省は、現在禁じているインターンシップ(就業体験)を通じた採用活動の解禁について議論を始める。人材不足に悩む中小企業がインターンで目星を付けた学生の採用を強く希望しているためだ。ただ、大学側は就職活動の期間が長くなって学業との両立が難しくなるとして、解禁に慎重な姿勢を崩していない。
経産、文科、厚生労働省が来週にインターンの運用改善に向けた合同の検討会を立ち上げる。経団連と日本商工会議所、経済同友会も参加して2016年度中に改善に向けた報告書を作成する。
入社後3年以内に離職する新卒は3割と、高止まりしている。中小企業などが離職率を抑える切り札として期待するのが、インターンを通じた採用の解禁だ。
3省は14年4月、企業がインターンで得た学生の学歴や将来性といった情報を採用活動で使わないように指針で定めた。
もっとも、IT(情報技術)関連や外資系の企業はインターンで来た学生の情報を事実上、採用活動に使っている。検討会はインターンと採用活動の関係がどうなっているのかを調査し、国として解禁の是非を協議する見通しだ。
解禁を最も強く要望しているのは、中小企業を束ねる日商だ。
政府が成長戦略で有能な人材を育成するためにインターンを推進する一方、中小企業は採用に結びつかないインターンを実施してもメリットに乏しい。有効求人倍率は5月に1.36倍と24年7カ月ぶりの高水準になった。中小企業は有能な人材を確保するのが、これまで以上に難しくなっている。
これに対し、大学側は企業が学生を早期に確保しようとして採用時期を大幅に前倒しすれば、学業がおろそかになると懸念する。文科省もインターンは就業教育との立場で採用と結びつけるのには慎重だ。
経団連はインターンを使った採用が解禁になれば、採用の開始時期を定めた就職協定が一段と形骸化するとみて、どちらかといえば慎重な立場を取っている。
欧米ではインターンと採用が一体となるケースが多いが、新卒一括採用を慣習とする日本ではインターンの位置づけがあいまいだ。学生もインターンが採用活動の一部なのかわかりにくく、戸惑うケースが目立つ。採用活動の実態を踏まえ、ルールを明確にする必要がある。