第二新卒、大手各社が熱い視線 博報堂は採用数2倍に

新卒第二新卒、大手各社が熱い視線 博報堂は採用数2倍に

社会人経験の浅い第二新卒の採用に力を入れる動きが大手企業の間で広がっている。三菱電機が今秋入社から採用を始めるほか、博報堂は採用数を2倍に増やす。経団連に加盟する企業の新卒採用面接が6月1日に解禁されたが、今年の新卒・中途採用は空前の売り手市場。第二新卒に間口を広げ、優秀な人材を獲得しようとしている。

大手各社は第二新卒の採用に力を入れている

大手各社は第二新卒の採用に力を入れている

就労経験のある20代を対象とする第二新卒の採用は、大学卒業から3年未満を条件とする企業が多い。中途採用は即戦力を期待して専門知識や業務経験を持つ人材を採るが、第二新卒はビジネスマナーなど社会人の基礎を身に付けていれば一般的に採用対象にする。

三菱電機は今秋入社から卒業後3年までなら就労経験のある人でも応募できるようにした。これまで社会人採用は即戦力を狙った中途採用だけだった。2017年春入社の新卒採用でも第二新卒を採り、新卒は合計910人を採用する計画。このうち第二新卒は採用数を限定せず、優秀な人材がいれば積極的に採用する。

博報堂は7月10日までの期間限定で第二新卒採用の募集を始めた。営業職で前年比2倍の30~40人を採用する計画。社会人経験2~5年程度が対象で、業界での経験は問わない。三井住友銀行も今春から第二新卒の採用を始め、10月入社に向け20~30人を採用する。

企業が第二新卒に注目するのは、新卒採用スケジュールの混乱で学生と企業のニーズにミスマッチが広がったことも背景にある。経団連の採用選考指針の改定を受け、16年春卒業から新卒の採用活動期間が短くなった。学生にとっても業界研究や自己分析が不十分なまま就職先を決める例が目立ち「就職3年未満の早期転職者が増えている」(三菱電機)という。

 

三菱電機は卒業後3年未満まで新卒として採用する(都内で今春開催した新卒採用セミナー)
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三菱電機は卒業後3年未満まで新卒として採用する(都内で今春開催した新卒採用セミナー)

新卒と中途の間に当たる第二新卒は社会人としてのマナーも身に付けており、新卒よりもすぐに戦力になると期待されている。人材紹介のエン・ジャパンによると、5月の「第二新卒」とうたった求人件数は2千件を超えた。前年同月比で41%増え、求人全体の伸び率(29%増)を上回った。

即戦力となる業界経験者を中途採用で確保したいという企業の需要は引き続き強く「経験のある人材の奪い合いは激しい」(エン・ジャパン)。日産自動車は16年度に前年度比2倍の200人を中途採用する計画。自動運転や電気自動車の研究開発を担う人材獲得が目的だ。第二新卒を含めて「20代の理系人材の採用に力を入れる」(日産)との考えだ。

大手各社は00年前後の就職氷河期に採用数を絞った反動で、景気回復局面の04~07年ごろに第二新卒の採用を増やした。いびつになった年齢構成を改善するため、20代を補充することが目的だった。だがリーマン・ショック後、経営環境の悪化を受け第二新卒の採用は縮小していた。

今年は新卒、中途とも売り手市場の様相が一段と強まっている。異業種から多様な人材を取り込んで競争力を高める狙いもあり、第二新卒の採用を増やす動きが今後も活発になりそうだ。