新卒多くの学生がすでに内定や内々定 人材サービス会社調査
大手企業の採用面接は1日に解禁されましたが、すでに多くの学生が企業から内定や内々定を得ているという調査結果もあります。
大手人材サービス会社の「リクルートキャリア」が就職活動中の大学生1225人を対象に行なった調査では、先月1日の時点で25%、4人に1人が企業から内定や内々定を得たと答えています。これは去年の同じ月と比べて4.3ポイント高くなっています。
さらに、内定や内々定を「確実に取得できる見通し」と回答した学生は4.1%、「ある程度取得できる見通し」と回答した学生が20.2%で、すでに取得したとする学生と合わせると、全体のほぼ半数に上っています。
内定や内々定を取得した企業を業種別に見てみると、情報・サービス業が57.2%、次いで製造業が18.4%、流通業が13.3%などとなっています。
調査を行った会社は、企業の採用意欲が依然高く、経団連に加盟していないIT企業や、人手が不足している中堅・中小企業が、去年よりもさらに早く採用活動を本格化させているためだとみています。
また、大手の中にも、採用面接が解禁される前から事実上の選考を行っている企業もあり、企業の採用のスケジュールを示した経団連の指針が形骸化しているという指摘もあります。
解禁日のきょう 最終面接の企業も
採用面接が解禁となった1日、早くも最終面接を行った企業もあります。
インターネット専業の「ソニー銀行」では、1日は午前に最終面接が行われ、人事担当の役員らは面接を前に、学生が提出したエントリーシートを見直したり、質問する内容を確認したりしていました。
この銀行では、親会社が経団連に加盟していることもあり、経団連の指針に一定の配慮はしてきましたが、大学の授業のない週末に学生と接触するなどして、解禁前から事実上、採用活動を進めてきたということです。
人事担当の執行役員を務める松下明広さんは「リクルーター制度やインターンシップで早めに学生と接触する企業も多いなかで、学生の学業に極力配慮をしながらも、タイミングを逃さないよう採用活動を進めてきた。解禁になったので、なるべく早く内定を出したい」と話していました。
中小企業など 内定者つなぎ止める取り組み
外資系など経団連に加盟していない企業や中小企業では、すでに採用の内定を出しているところもあり、こうした企業では内定者をつなぎ止めようと動いています。
静岡県三島市にある社員160人の建設会社は、1日までに15人の学生に内定を出しました。
大手企業の採用面接が始まるのを前に、改めて会社の魅力を伝えようと、先週、内定者を集めて研修会を開きました。研修会では、若手の社員や人事の担当者が仕事のやりがいを語ったほか、職場で開かれている「女子会」などのイベントを紹介し、働きやすい雰囲気だとアピールしていました。
研修会に参加した、東京の大学に通う女子学生は「社員どうしが仲よく楽しそうにしていて、こういう人たちと働けると思うと気持ちが楽になります。ほかに2社の内定をもらっていますが、この会社で働きたい」と話していました。
この会社では、内定式を開くことし10月まで毎月、内定者を集めてこうした研修を行うほか、インターネットの交流サイトを使って連絡を取り合い、内定者をつなぎ止めることにしています。
専門家「企業の採用意欲高い 焦らずに」
ことしの就職活動について、リクルートキャリア就職みらい研究所の岡崎仁美所長は「売手市場が続き、去年思うように採用できなかった企業を中心に、積極的に採用活動を行っている。学生からは、大学の授業などの日程と就職活動の時期が重なり、忙しくなったという声も聞こえる」と話します。
そのうえで「企業の採用意欲は極めて高く、正式な内定が出る10月までに、内定を得ていない学生と企業の間を結びつけるマッチングの第2の山があると期待できるので、焦らずに就職活動をしてほしい」と話していました。