大卒の3月末就職内定率、4県で過去最高 人手不足映す

新卒大卒の3月末就職内定率、4県で過去最高 人手不足映す

中国5県の大学(大学院含む)、高校の今春就職者の2016年3月末時点での内定率がまとまった。大学は広島、山口、島根、鳥取でいずれも過去最高を記録するなど、高水準だった。就職活動解禁が8月に変更された影響を懸念する声もあったが、景気回復による人手不足が払拭した格好だ。16年度の採用活動を拡大する動きがある一方、円高の進行などを懸念する声も出始めている。

過去最高を記録した4県の就職率は15年に比べ、広島は1.3ポイント、山口が2.1ポイント、島根は3.0ポイント、鳥取が2.2ポイントそれぞれ伸びた。過去最高にはならなかったが岡山も1.2ポイント上昇した。景気回復により各県とも有効求人倍率が高止まりしており「人手不足を新卒で補う動きが加速した」(広島労働局職業安定課)という。

高校の就職内定率も各県で高水準となった。業種別での求人数は、広島県で卸売・小売業が前年同期比42.7%増、製造業が13.1%増となった。企業規模別でも100~299人の企業で26.3%増、30~99人の企業で21.8%増となるなど、すべての規模の企業が大幅に増やした。

必要な人手の確保に、企業は採用活動を強化する。山陰合同銀行は今春入行組の応募者が前の年度より3割減ったことを受け、学生との接点を増やすため就職説明会を3~5月の3カ月間に13回集中開催する。トクヤマは採用数を増やすが、売り手市場から「希望通り採用できるかは不透明な状況」(採用グループ)と厳しい見方をする。

自治体も地元企業の採用支援を強化する。鳥取県は4月から、若い世代の県外流出対策で、県内企業に勤める20~30代の社員を「就活サポーター」に認定。リクルーターとして関東や関西の大学学生寮などに出向き、県出身者に県内企業への就職を促す。

採用数を増やす企業が多い一方、円高進行への警戒が採用に影響し始めている。JFEスチール西日本製鉄所は採用数を今春並みかそれ以下に抑える考えだ。「販売価格下落や為替問題など不安要素がある」(同社)ためだ。輸出型企業は長期的な人手不足への対応と短期的な業績とのバランスをどう取るか調整を迫られそうだ。

各大学の就職課は、就職活動解禁時期の変更に神経をとがらせている。「昨年、学生も企業の採用担当者も何を参考に動けばよいのかわからず、非常に混乱した」(広島大学グローバルキャリアデザインセンター)ためだ。今年は昨年から2カ月前倒しの6月に解禁される予定。学生にとり、短期間での選考開始時期の変更は大きな不安材料となっている。