新卒採用を成功に導く2つのポイント
6月から面接が解禁となる採用活動。いつの時代も企業にとって採用活動は大きな課題だ。ましてや、知名度の低い中小・ベンチャー企業にとっては、いかに優秀な学生を採用するかはビジネスの将来を左右する。
iStock筆者はソニーに入社して早々、子会社の人事担当として配属になった。最初の仕事は次年度の採用計画策定。採用活動自体も全て1人で行った。
当時は技術系の学生の内定数が1人あたり40社を超えるような「超売り手市場」。彼らが選ぶのは実績のある大手企業ばかり。私の会社は地域の人気企業ランキングのベスト20にも入れず、採用計画数の達成が困難な状況だった。
その中で新人ながら考えた採用のポイントは2つだった。
1つ目は、就職担当の先生だけでなく、学生が信頼を寄せる他の先生や先輩OB・OGを、採用活動に巻きこむことだった。優秀な学生ほど、就職担当の先生ではなく、信頼を寄せる人に相談して進路を決める。
企業から学生に直接アプローチして記憶にとどめてもらうのは難しいが、学生の信頼を集める人が企業を理解し、学生に薦めてくれたら、その効果は大きい。まして就職担当の先生には、企業から大量の求人のラブコールが届いており、学生に紹介しきれないのが現状だ。
学生から信頼されている先生たちは共通して、生徒がその企業に入って本当に幸せかと、将来を案じていた。だから、「私の会社にはこんな技術と商品があり、こんな将来像を描いている。この技術を持った人なら活躍できる」と、会社が欲しい人材像を、詳細かつ合理的に伝えた。会社のカルチャーを理解してもらうことで、適性のある人物が先生方の紹介で会社に応募してくれるようになった。
学生自身にも会社の強みを分かってもらえるよう、秘密保持契約まで結んで研究開発部門でインターンを行った。学生も、先生に薦められてなんとは無しに知った企業と、ビジネスの根幹まで見せてくれた企業とでは、捉え方が大いに違う。現在のインターンでは、新卒に何を期待しているかを明示して行っているケースもあるが、もっと根幹を体感させるような本当に価値あるものにするべきだ。
2つ目のポイントは採用する前より、採用後のフォローこそ大事にしたことだ。それぞれの学校から優秀な人材が入って来たら、会社で一番優秀な課長を、彼らの受け入れの責任者とした。そして、彼らを会社の即戦力にすることを目標とさせ、個別のメニューを徹底的に行って面倒を見た。
紹介してくれた先生たちには、学生たちの会社での活躍ぶりや、今後の期待値とそれに不足している部分を必ずフィードバックするようにしていた。先生たちは紹介した学生たちが会社で大切にされていることを知って、その後も優秀な人材を送りこんでくれる、会社の熱烈なファンになってくれた。
採用には学生や先生への採用のマーケティング活動と企業のプロモーション活動が必要だ。労を惜しんで採用活動を行っていては、優秀な人材はいつまで経っても採れない。