新卒就活に変化「待つ」より「攻め」 逆求人フェスで学生が自ら売り込み
来春卒業予定の学生の就職活動(就活)が3月の企業説明会で解禁されて2カ月。今年はルール変更で、面接などの選考が前年より2カ月早い6月から始まる。3カ月の短期決戦で、理想の職場を探す学生の就活も変化。学生による自分の売り込みに企業が集まるイベントなど学生主体の「攻め就活」が広がっている。 (中沢佳子)
「少林寺拳法を十六年。忍耐力と不倒敗の精神を身に付けました」-。四月に都内であった「逆求人フェスティバル」。学生たちが、熱弁を振るって企業の採用担当者に自分を売り込んでいた。
道着姿の人もいれば、テレビ番組のように自分でつくったフリップを使う人もいる。
通常の合同説明会では、企業のブースに学生が集まる。ここでは逆。企業の担当者が会場を巡って、学生のPRを聞くのだ。

企業の採用担当者に、道着姿で自分を売り込む学生=東京都墨田区で
企画した人材開発会社「ジースタイラス」(東京)の高橋洋平さんは「学生をひとまとめにして一定の枠で振るい落とす形に疑問があった。この方法は学生の個性を発揮し、企業は多様な人材を発掘できる」と語る。企業は四十万円から百万円を払うが、人手不足で学生側の売り手市場ということもあり、毎年、各地で開く説明会には計二百社が申し込む人気という。
この日は学生約五十人、企業約二十五社が参加。関西大四年山崎大志さん(24)は「企業の話を一方的に聞くのと違い、自分に合う職場を探せる」、早大院修士課程二年出縄弘人さん(25)は「自己PRの助言をもらえるので後にも生きてくる」と話す。毎年参加して五~六人採るという不動産情報サイト運営会社の採用担当の林征一郎さんは「ここでしか会えない独特のタイプの人材がいる」と話す。
企業発ではない情報を集める動きも。企業リサーチサイト「ヴォーカーズ」は、社員が投稿する勤め先の口コミと評価を載せる。転職者向けだったが、ここ数年で学生の利用が増加。運営会社の担当者は「理想の職場を探すには、社員の生の声が参考になる」という。フェイスブックを活用した社会人訪問支援サイト「マッチャー」は、実名や勤務先を明かした社会人の「最近の面白い漫画を教えて」など小さな願い事を学生がかなえると、会って話が聞ける。交換条件なので対等に話せ、本音を聞き出しやすい。
学生主体の就活の動きに、リクルートキャリア就職みらい研究所の岡崎仁美所長は「行動力を示し、他の学生との違いをアピールできる。今年は学生有利の売り手市場と言われるが、ただ待つより、自分が納得のいく就活をしたい学生は多い」と見ている。