親世代とはこんなに違う!イマドキの就職 保護者の皆さん、その認識はズレてます

新卒親世代とはこんなに違う!イマドキの就職 保護者の皆さん、その認識はズレてます<1>

最近、街でスーツ姿も初々しい就活生を見かけた人も多いことでしょう。来春卒業予定の就活生は、まさに今、毎日が全力疾走状態です。昨年までの就活スケジュールが変更になり、今年は、プレエントリーや説明会、エントリーシートの提出、WEBテストの実施などすべてが3月~5月の3か月間に圧縮され、かつてない超短期決戦になっています。

当然、エントリーシートや履歴書提出の締め切り時期も集中。「いつ、何をすればいいのか、先輩の体験談が参考にならない」と前例のないスケジュールに悩む声や、「就活と教育実習期間が完全にかぶるので、どちらかに絞るしかないかも」「前期の試験と就活の選考期間が重なるけれど、単位を残しているので心配」と4月以降の動きを心配する声も聞こえています。

親としては何とか応援してやりたいものですが、もしかすると、彼らを一番疲弊させてしまうのが、情報誌世代の保護者の思いこみや勘違いかもしれません。私自身、仕事では企業の新卒採用に関わる仕事を28年やってきましたが、私生活では昨春、就活生の父親を体験したばかり。自分の子どもの就職活動を見守る立場になって、初めてわかったことや、そのときの反省も含めてお伝えします。

親の就活時に比べれば断然低い求人倍率

「求人倍率は4年連続で前年を上回り、企業の採用意欲は一層高まっています」。こんな情報を目にされた方も多いはず。これは事実ですが、倍率が高まっているのは、あくまでも1.23倍しかなかった4年前と比較しての話。

「アベノミクスで景気は上向き」「企業の採用は売り手市場」などの、マスコミの報道や世間のウワサでイメージが作られがちですが、保護者世代が就職活動をした当時の求人倍率には遠く及ばないのが現状です。

例えば1988年3月卒(現在50歳前後)の大学・大学院生の求人倍率は2.48倍。一方、よくなったとはいえ2016年3月卒は1.73倍(リクルートワークス研究所調べ)です。しかも業種の偏り、採用の集中などもあり、就活生にとって、希望職種への就職はいまだ狭き門。厳しい就職環境なのです。

さらに、追い打ちをかけるのは、「採用人数を充足できなくても採用基準は緩めない」としている企業が約半数もあるということ。就活生にとってシビアなこの方針の背景にあるのは、かつて人数を確保するために闇雲に採用したバブル時代の反省があり、それが、子供たちの就活に影響しています。

こうした状況下で、なかなか内定をもらえないこともあります。「求人は上向いているはずなのに」「○○くんはもう決まったんでしょ」などと不用意に言ってしまわないでください。

今は面接だけでも1社あたり通常5~6回あります。保護者の方が就活した当時は、概ね3回前後でしたから、面接回数だけでも、当時の約2倍です。就職活動は負担が増し、いくつも乗り越えなければならないハードルがあるなかで、就活生の気分は落ち込みがち。どうかゆったりと構えて見守ってあげてください。

企業に提出する書類も多い

保護者世代と現役世代の就活とでは、企業に提出する書類の種類の多さと、面接の種類、回数が、大きく違っています。

保護者の方は、多くが1980年代~90年代前半に就職を迎えた、いわゆる就職情報誌世代。当時の就活は、①就職情報誌の資料請求はがきを送ると、②パンフレットが届き、③説明会に参加、④気になる企業に応募し、④面接と筆記試験を受け、⑤合否が決まっていました。ほぼ応募者全員に、筆記試験か面接、もしくは両方のチャンスが与えられていました。

しかし今のWEB世代の就活は、①WEBでプレエントリーして、②企業情報、説明会情報を自分で収集、③説明会に参加し、④エントリーシートや履歴書を提出して応募。⑤WEBで適性検査を受ける。ここまでの時点で事前選考が行われることもあり、選考を通っていれば、⑥グループ面接や個人面接、筆記試験などを受け、⑦合否が決まります。

先ほど面接だけでも通常5~6回とご紹介しましたが、それ以前に、応募する企業ごとにエントリーシートを書き、履歴書も書き、場合によっては課題も作成しなくてはなりません。

リクルートキャリア「就職みらい研究所」の調査によると、2016年卒の就活生は、実施者ベースで平均17.6社に書類を提出しています。WEB化で就活が楽になっていると思われがちですが、むしろ工程数が増え、提出書類が増え、余計に手間と時間がかかるものになっているのが現実です。

WEB化された履歴書兼エントリーシート(オープンエントリーシート)の採用で書き直しの負担は軽減されているものの、手書きの履歴書やエントリーシートなら、1枚書き上げるのにも1~2時間はかかります。

そして、手書きの場合は、途中まで書いて間違えた場合、最初から書き直すというのが一般的です。部屋にとじこもって、書類と格闘しなければならないこともあるのです。

親との最大の認識のズレは「業種と社名」

そして、保護者世代の方と就活生との最大のズレは、業種や社名への認識かもしれません。数年前に「10年後になくなる仕事」が英オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授の論文で発表されて話題になりました。

すぐに人工知能が人間の仕事を代替するようになるわけではないでしょうが、仕事の機械化・IT化は進み、産業構造は大きく変化しています。特にサービス業就業者は数・比率ともに増え続けています。

1993年にサービス業に就業した大学生の割合は25.4%でしたが、2013年には33.6%。リクルートワークス研究所では、2020年時点でサービス業の就業者数は47.2%との予測を出しています。

しかし、就活生の話を聞いていると、親から「大学を出て、なんでわざわざサービス業に就くの?」と言われたという声をよく聞きます。ほかにも「『どこかの子会社だろ』と言われた」「『そんな企業名は聞いたこともない』と言って、(親が)知っている企業を勧められた」という学生もいました。

子どもが志望する業界、企業に対して、ご自身が知っているかどうかを評価の基準にしていませんか。就活生の多くは、親にもっと相談したいと思っています。だからこそ、保護者の方には、産業構造の変化や就業形態の多様化の実態を、もっと知っていただけたらと思います。そのうえで、ぜひ企業人・社会人の先輩としてのアドバイスをしてあげてください。次回は、その際に、気を付けたいNGワードをご紹介します。