就活 短期決戦スタート 1日に会社説明会解禁

新卒就活 短期決戦スタート 1日に会社説明会解禁

経団連に加盟する大企業の会社説明会など採用活動が1日に解禁され、2017年卒大学生の就職活動が本格的に始まる。人手不足が広がる中、面接など選考解禁が2カ月前倒しの6月になった「短期決戦」の就活だ。自動車や商社などの人気企業も説明会の回数を増やしたり、授業後に参加しやすい夕方に開いたりするなど学生へのアピールに力を入れる。学生も就業体験などに積極的に参加している。

トヨタ自動車は17年卒向けの会社説明会の回数を前年比で約3割増やす。短期間で集中的に実施することで学生と接触する機会を増やす。トヨタ単独で開いたり、他社と合同での説明会に参画したりする。

 

多くの学生が参加したマイナビの「就活準備フェア」(2月、東京都江東区の東京ビッグサイト)

多くの学生が参加したマイナビの「就活準備フェア」(2月、東京都江東区の東京ビッグサイト)

三井物産は昨年に都内で初めて開いた1500人規模の単独説明会を3回に増やし、関西でも始める。大学前で営業する学生専用カフェに社員が出向く少人数を対象にした「出張説明会」も実施し、「学生との接点をきめ細かく広げる」(人事総務部)。

高島屋は首都圏で、人事部員だけでなく営業など現場の担当者が実際の仕事を学生に直接説明する「ジョブセミナー」を2年ぶりに復活させる。今年は人材獲得が昨年より厳しくなるとみているためで、「学生により深く自社の仕事を知ってもらいたい」として、売り場や商品買い付けの担当者が説明役を務める。

学生が参加しやすいよう開催時間を見直す企業もある。三菱商事は「平日だけでは参加学生が限られる」(人事部採用チーム)として、今年は週末実施に軸足を置く。昨年まで土日は1日当たり1回程度やっていた説明会を3回程度に増やす。日立製作所は夕方の説明会開催を検討している。経団連は就活が学業の妨げにならないようにするため、会社説明会を土日・祝日や夕方に開くよう企業に求めており、同様の動きが広がりそうだ。

今回、選考解禁時期が8月から6月に前倒しされたことで、問題になるのが日本人留学生の採用だ。6月ごろに留学を終えて帰国するため、出遅れてしまう。日立は日本人留学生に対し、9月以降に実施している通年採用への参加案内を3月にもインターネットなどで告知する。国際化を進める上でも大きな役割を担う留学経験者の受け入れを拡大したい考えだ。

 

ただ、大企業が採用に力を入れるほど、中小やベンチャー企業が学生を思うように確保できなくなっていく。工夫を凝らした採用活動で学生を引きつけようと必死だ。

教育研修のシェイク(東京・千代田)は17年卒採用から、入社3年以内にグループ会社の社長に就任させることを確約する。「20代から組織のトップとして働く場を用意し、経験を積んでもらう」ことで、起業意欲の強い学生を獲得する狙いだ。

スマートフォン(スマホ)向けゲームを手がけるドリコムは採用活動で面接をせず、インターンシップ(就業体験)だけで判断して内定を出すようにしている。

人手不足などを背景に、就活は学生の「売り手市場」が続いている。リクルートキャリアの調査では、17年卒の採用活動で解禁前に内々定や内定を出すと回答した企業は44%に達する。すでにインターンやリクルーターを使った学生の「青田買い」が始まっていることを示している。人材争奪戦が激化すれば、実質的な採用活動の前倒しが一段と進む可能性もある。