新卒インターン導入3割増 住商初の実施、みずほ回数倍に
2017年春卒業の大学生の就職活動が3月1日から本格的に始まるのを受け、インターンシップ(就業体験)を充実させる企業が増えている。大手就活サイトで参加者を募る企業は16年春卒より約3割増えた。企業の新卒採用意欲が高いうえ、体験を通じて希望する職業や企業を見極めたいという学生も増える。採用活動期間が短くなることもあり、活用が一段と広がりそうだ。

インターンシップは就業体験を通じて、学生が職業観を養ったり志望する企業を決めたりする。企業が本格的に参加者の募集を始めた昨年10月時点で「リクナビ」や「マイナビ」などの大手就活サイトで開催を告知した企業は、延べ約3700社と前年同期より約3割増えた。
住友商事は2月8~12日に初めてインターンを実施した。営業現場に学生が同行したり、泊まり込みの合宿を開いたりした。伊藤忠商事も2年ぶりにインターンを再開。幅広い学生が参加しやすいように、初めて大阪本社でも開いた。
三井物産は2月開催のインターンの参加人数を前年の2倍の100人に拡大。三菱商事も120人の参加者を集めた。大手商社は全体に就職人気が高く、多くの応募者を集める。しかし、「業務が幅広く仕事の実態が分かりづらい。インターンを通じて業務を知ってもらい、採用後のミスマッチを解消したい」(三菱商事)。
金融機関も積極的だ。みずほフィナンシャルグループは17年春卒の学生向けのインターンの回数を前年の2倍の6回に増やした。学生が法人顧客を訪問し、経営課題の解決策を提案する経験などを得られるようにしている。損害保険ジャパン日本興亜も17年春卒向けのインターン受け入れを500人増やして、3200人超とした。
インターンを実施する業種は幅広く、内容も多彩になっている。カジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは上海など海外5都市で店舗運営を体験できるインターンを実施。楽天は市場調査などを体験できるインターンを実施しており、大学1年生から参加できる。出版大手のKADOKAWAは3月に玩具企画会社と共同で開く。
経団連は採用活動の指針を見直し、加盟企業の今年の選考解禁を昨年の8月から6月に前倒しした。会社説明会など広報活動の開始は昨年と同じ3月1日のため、選考開始までの期間は2カ月短くなる。企業の採用活動に詳しい人材研究所(東京・港)の曽和利光社長は「採用活動の短期化がインターン増加に拍車をかけている」と指摘する。
学生の意識も変わっている。人材サービスのリクルートキャリア(東京・千代田)の調査によると、16年卒の学生のインターンへの参加率は39.9%と前年より13ポイント増えた。
就活を始める3年生だけでなく、1~2年生も職業観を養う場として注目する。私立大学学生生活白書によると、1年生でインターンに興味のある人は約7割に達している。採用コンサルタントの谷出正直氏は「企業や業界動向を積極的に調べる学生が増えている」と話す。就活生だけでなく、幅広い学生にインターンが広がりそうだ。