採用担当者に聞く新卒採用の実態、経団連の指針を「守った」企業は57.9%

新卒採用担当者に聞く新卒採用の実態、経団連の指針を「守った」企業は57.9%

経団連が2年連続で就活スケジュールを変更するなど混迷が続く新卒採用。企業の採用活動を支援するサイト「JOBRASS新卒」を運営する株式会社アイデムの人と仕事研究所では、2016年度の新卒採用を行う企業の新卒採用業務担当者1,000名を対象に調査を実施した。

■10月時点の2016年度新卒採用活動の進捗は「現在行なっている」が46.8%

企業に、2016年度新卒採用活動の10月時点での状況を聞いた。広報活動やその準備も含めて「現在行なっている」と回答した企業が46.8%、「 まだ何も行なっていない」企業が25.6% となった。一方、「既に終了している」と回答した企業は27.6%で、6月1日状況調査から8.8ポイ ント増加したが、まだ、採用活動を継続している企業が半数近くに上っている。

従業員規模別に見ると、規模が小さくなるにつれ「まだ何も行なっていない」企業の割合が増え、「29人以下」51.5%、「30~99人」27.2%、「100~299人」22.1%となっている。企業規模によっては、これからが採用活動のスタートとなっているようだ。

■新卒採用の終了予定時期は「2015年12月末頃まで」23.6%「2016年3月末頃まで」28.7% (※)

「2016年度新卒採用活動の状況」において、「現在行なっている」または「まだ何も行なっていない」と回答した企業には採用活動の終了予定時期を、「既に終了している」と回答した企業には終了時期を聞いた。

2016年度の新卒採用活動を「現在行なっている」または「まだ何も行なっていない」と回答した企業では、採用活動の終了予定時期を「2015年12月末頃まで」としている企業は、合計で52.8%。約半数の企業は年内に終わらせたい意向があるものの「2016年3月末頃まで」とする回答も28.7%と多く、今年度(2016年3月末まで)一杯かかると見込んでいる企業も少なくない。従業員規模別では、規模が小さくなるほど今年度一杯かかる見込みとしている。

2016年度の新卒採用活動を「既に終了している」と回答した企業では、内定通知解禁前となる「2015年9月末頃まで」に終了した企業が39.9%と最も多い。採用選考解禁以降となる「2015年8月末頃まで」「2015年9月末頃まで」の合計では62.0%となった。

※「現在行なっている」、「まだ何も行なっていない」と回答している企業中

■採用選考に関する指針、【2016年度】「守った」57.9% 【2017年度】「守る予定」58.1%

企業に、2016年度の新卒採用活動において、経団連の「採用選考に関する指針」を順守したかを聞いたところ、「守った」が57.9%、「守らなかった」が12.5%、「わからない」が29.6%という結果となった。全体では順守した企業は約6割となっている。これを従業員規模別に見ると、企業規模が大きくなるほど順守した企業の割合が高くなっていた。

また、 2017年度の新卒採用活動において、経団連の「採用選考に関する指針」を順守する予定かを聞いたところ、全体では「守る予定」が58.1%、「守らない予定」が14.7%、「わからない」が27.2%で、2016年度の順守状況と大きな違いは見られなかった。これを2016年度の順守状況別に見ても、「採用選考に関する指針」の順守意向が2017年度も変わらないことがうかがえる。

■選考活動の解禁日は「一律に定めないほうがよい」41.2% 「4月」27.7% 「8月」18.3%

企業に、「採用選考に関する指針」の採用スケジュールの見直しについて、「選考活動」の解禁日はいつが一番適切だと思うか聞いたところ、「解禁日は一律に定めないほうがよい」が41.2%と最も多くなった。次いで「卒業年度の4月」が27.7%、「卒業年度の8月」が18.3%となっている。従業員規模別に見ると、「卒業年度の4月」の回答割合は、概ね規模が大きくなるほど高くなっている。

また、 2016年度の採用選考に関する指針の順守状況別に見ると、指針を「守った」企業では、「卒業年度の4月」が32.8%、現在の指針どおりの「卒業年度の8月」が25.4%となり、両者の差は7.4ポイントであった。それほど大きな差とはなっておらず、「選考活動」の解禁日は「広報活動」の解禁日と比べて、現在の指針どおりで問題ないとする企業が多いことがうかがえるものの、以前の解禁日や一律に定めない事を望む声の方が多いようだ。

これを受けてアイデムの人と仕事研究所所長、岸川 宏氏は以下のようにコメントしている。

「10月の内定通知解禁を受け、2016年卒の採用戦線は終息感が強くなる反面、これから採用活動をスタートさせる企業も。例年、大企業との採用競争を避け、大企業の多くが採用活動を終了させるこの時期から採用活動を始める中小企業は少なくありません。今シーズンの採用活動は、スケジュールの大幅な変更による不透明感が漂う中、様子見のために採用活動を遅らせた企業が多くなった可能性もあります。先日発表した学生の内定獲得率は82.6%と昨年同時期よりも高い結果となっています。これから採用活動を開始する企業にとっては厳しい状況と言えるかもしれません。

来シーズンの採用スケジュールに関しては、今シーズンと同様に“スケジュールを守る”と回答している企業が多いものの、適切だと思う時期に関しては“一律に定めないほうがよい”が4割という結果。本音としては元に戻してほしい、自由に活動をさせてほしいといったところではないでしょうか」

<調査概要>
調査対象:2016年度の新卒採用を行なう企業の新卒採用業務担当者
調査方法:インターネット調査
調査期間:2015年10月1日~5日
有効回答:1,000名