就活前に「2017年卒の採用日程」を押さえよう 大学3年生が今この時期にやるべきこと

新卒就活前に「2017年卒の採用日程」を押さえよう 大学3年生が今この時期にやるべきこと

日本経済団体連合会は現大学3年生(2017年卒)を対象にした採用活動で、説明会解禁を3月に、面接などの選考開始を6月に決定した。選考開始は2016年卒の学生より2カ月前倒しになる。経団連のルール変更は経団連非加盟の企業の採用活動にも大きな影響を与える。

外資、マスコミ、経団連非加盟上場企業、中堅企業などを含めて2017年卒採用の全体のスケジュールはどのようになるのか。『新卒採用基準』(東洋経済新報社刊)の著者で、長年に渡って就活生の指導を手掛けてきた廣瀬泰幸氏が解説する。

 

経団連加盟企業の選考開始時期が6月1日に変更されたことに伴い、企業全体の選考開始時期がどうなるのかについて私なりに見通しを立ててみました。

見通しを立てるにあたり、例年新卒採用活動を実施する1万7000社のうち、新卒採用マーケットに大きな影響を与えている3割、5100社の企業を(A)「外資系・マスコミ100社」、(B)「経団連加盟企業1300社」、(C)「経団連非加盟上場企業2200社」、(D)中堅(人気企業の関連を含む)企業1500社と、分類しました。

外資とマスコミは11月スタート

2017年卒採用は、まず(A)の企業が採用選考をスタートします。3年(修士1年)の11~3月にかけて面接選考を実施します。(A)の企業群は、採用予定人数は全体で1000名と多くはないものの、「いわゆる優秀な学生」1万名が受験するために、採用マーケットへの影響は無視できないといえます。

次いで、4月に入ると(C)と(D)の企業が採用選考をスタートします。理由は、3月1日に各種ナビサイトで求人情報や会社説明会情報の告知が解禁となるためです。3月中・下旬以降より会社説明会を開始する企業が、説明会に参加した学生の選考を4月から開始することはタイムラグがなく、採用効率がいいと言えます。

併せて、人気企業が多数加盟する経団連加盟企業が選考を開始するよりもいち早く採用選考活動をすることにより、優秀な学生を確保したいという思惑があるため、このタイミングで選考活動をスタートするのです。

そして、5月の連休明けからは、 (B)の経団連加盟企業の一部が「座談会」形式の採用活動を開始します。例年、経団連ルールよりも先んじて「座談会やOB懇談会」と称して実質的な面接選考活動をする企業はあります、経団連ルールの2~3週間前からは、他社に先んじて選考を開始したいと考える企業が採用活動をスタートするのです。

2017年卒の採用では、4月は「新入社員研修」で忙しい人事部担当者が連休明けから、採用に力を入れやすくなります。

いよいよ6月1日より、経団連加盟企業全体が採用面接を開始します。そして総合職採用は3週間程度で決着し、女子学生の一般職採用を実施する企業が、おおむね6月20日以降より採用選考活動を開始します。

教育実習と就活の両立が困難に

7月からは、各大学での前期試験が開催されるために、特に女子学生の選考日が大学の試験日と重複しないかどうかが懸念されます。併せて、教育実習期間が6月の2~3週間に渡って行われるケースが多いために、教職と民間企業就職の両立が難しくなることも懸念されます。

その後6月下旬~9月末は再び(C)(D)企業の中で、(B)企業の選考に伴いそちらに内定したために辞退してしまった人数を補充するための採用活動や、元々(B)企業の採用活動が一段落した後に採用選考活動を行うと決めていた会社の選考が行われることになります。

一般的に経団連加盟企業より人気の低い(C)(D)企業は、2015年は正式内定解禁日の10月1日までに、人気企業の採用終了後1カ月間しかなかったのに比べ、2016年は3カ月間になります。そのため10月1日時点での全体の「内定率」は今年よりも高まることになりそうです。

次に、多くの学生の就活の動きに影響を与える「経団連加盟企業」の動きについて、さらに今後の採用スケジュールについて考えてみます。

周知のように、経団連加盟企業は、3年(修士1年)の夏休み、10~12月にかけて「インターンシップ」を開催しています。しかし、加盟企業の中でインターンシップをその期間中に実施する会社は全体の30%以下です。

その理由はいろいろあります。経団連加盟企業といえども、知名度の低い企業では思った程インターンシップが最終的な入社に繋がらないこと、インターンシップ採用にかけられる予算やマンパワーがそれほど大きくはないこと、一部の企業ではインターンシップを実施しなくても、予定通り自社で活躍できる優秀な人材を確保できてきたこと、などです。

しかし、10~11月に2017年卒の採用選考時期の前倒しが議論されたことで、各社の対応に変化が見られ始めました。多くの会社の人事部にとって、自社の採用選考時期が他社よりも遅れをとることは、人材採用の成否に大きく関わる死活問題であることを改めて認識したからです。

併せて、各社の人事担当者に大きな影響力のあるナビサイト運営・販売会社の営業職員が「インターンシップサイト」の提案を強化したことも影響しました。

こうした背景により、2017年卒はインターンシップを実施する企業が増えるでしょう。今後の経団連加盟企業の採用活動は――

1~2月  インターンシップによる採用母集団の形成
3~4月  会社説明会による採用母集団の形成
ES・各種テストによる選考開始                                                       5月   一部の会社が大学を選別した上で「座談会形式」の選考開始
インターンシップ参加者に対する「早期」選考開始
6月   本選考開始

 

といった流れになると思われます。

やるべきは「業界研究と仕事研究」

最近、インターンシップについて質問してきた10人の学生さんに、こちらから「インターンシップに参加する目的」について聞いてみました。一番多かった答えは、「何もしないと不安だから」で、次に多かった答えは、「ひょっとしたら本選考で有利になるかもしれない」でした。

すでに3~5日程度のインターンシップに参加した学生の多くはお気づきのことだと思いますが、インターンシップを開催する企業の目的は概ね、「その会社での仕事を研究させること」に主眼が置かれています。

学生は、「同一業界の企業は、原則として仕事は同じ」「仕事は企業によって違うのではなく、業界によって違う」と認識することが大切です。つまり、メガバンクならば、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の仕事はどこも大差なく、三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅の仕事も大差ないということです。しかし、三菱UFJ銀行の仕事と三菱商事の仕事はかなり違っています。

望企業を選択する際には、「企業理念や目標・戦略」「仕事内容」「風土・働く人との相性」「制度・待遇」など、自分の価値観の優先順位によってさまざまな観点から企業を研究することが大切です。

他方、入社後の新入社員研修修了後に待っているのは実際の仕事です。私は、いくら会社に将来性があり、風土が自分に合い、待遇が良くとも仕事内容に魅力や、やりがいを感じられなければ、その企業で長く働くことが難しいと思っています。従って仕事研究は就活生にとって欠かせないものとなります。

今の時点で、業界・仕事研究を充実させることは極めて大切です。そして、インターンシップの参加を検討する場合には、同一業界では1社に参加すれば十分です。出来るだけ、複数の業界のインターンシップに参加して、「仕事研究」を深めることをお勧めします。