新卒就活再見直し 時代に合った採用形態に
「やはり」と言うべきか。経団連が、大学生の採用指針を11月にも再度見直す方針という。
昨年まで大学3年の12月に説明会、同4年の4月から選考が行われていた。学生らが学業に専念できるよう経団連が関連指針を見直し、来春卒業予定の大学生の採用は今年3月の説明会で始まって8月から面接などが解禁された。
現実はどうか。東京の就職情報会社によると、大学生の就職内定率は8月15日の時点ですでに7割に達している。解禁前から選考を進める大手の「フライング」も横行していたとみられている。
文部科学省などが5月1日現在で実施した抽出調査によると、来春卒業する学生の就職活動が「長期化している」と回答した大学・短大は6割近くに上り、学業に専念させるという狙いとは懸け離れた実態が浮き彫りになっている。
これでは「何のために時期を遅らせたのか」と学生から不満の声が出てくるのも当然である。
第1志望でない内定先が多かったためか、中小企業では内定辞退も相次いでいるという。
中小企業が加盟する日本商工会議所の三村明夫会頭が「(指針通りに)まじめにやったところが損をする」と発言するなど、経済界からも批判が高まっている。
採用活動の変更は学業優先を盛り込んだ政府の成長戦略に沿った措置だった。結果的に出だしからつまずいたと言わざるを得ない。
経団連は会員企業や大学への聞き取りを10月に行い、実態を把握する。この結果を踏まえ、見直しに向けた政府との調整に入る。
2016年の採用活動は小幅修正にとどまり、抜本的な見直しは17年以降となる見込みという。経団連の榊原定征会長は「調査して対応を決めたい。従来の日程に戻すことも選択肢だ」と言う。
ただ、日本企業の多くが導入する「新卒一括採用」を行う限り、同じことの繰り返しになるのではないか。必要に応じて年に数回、社員を募集する「通年採用」を拡大するなど、時代の変化に見合う採用形態へ変えていくべきだ。