新卒就活支援ビジネス、関西で活況 企業と接点創出
2016年卒の大学生の就職活動がピークを迎えるなか、就活支援ビジネスが関西で広がってきた。学生の個性を引き出し企業とマッチングさせるサービスや、就活生が気軽に情報収集できるカフェやバーも登場。今年から大手企業の選考活動の時期が遅くなり、長期化する就活に消耗する学生も少なくない。学生を支えるサービスの需要は一段と高まりそうだ。
7月8日、大阪府守口市の体育館で一風変わった運動会が開かれた。就活中の女子学生約100人が企業の人事担当者と一緒にパン食い競走や駆けっこをした。昼休みには学生が自己アピールをしながら企業担当者に弁当を販売した。
企業は運動会を通じて学生の行動力や積極性を評価する。気に入った学生を10人まで指名し、実際の採用選考に進む。参加したオフィス機器販売のトレジャー・トレーディング(大阪市)は「意欲的な女子学生を探しにきた」(水永将太社長)といい、来春採用では40人を計画する。
運動会を主催したUA Links(大阪市)は企業から参加料を取って運営。同社は「就活美人」と呼ぶ女子学生向け就活支援を今年始めた。働く心構えや面接対策を指導する就活塾を開き、8月初旬には大手企業の「圧迫面接」を想定した模擬面接をした。広岡絵美社長は「学生の内面を磨いて即戦力となる人材を育てたい」と話す。
「あなたが本当にしたいことは何ですか?」。大阪・梅田駅から徒歩圏内の雑居ビル内の「就活カフェ」は飲み物を片手に、専門コンサルタントに無料で進路を相談できる。昨年7月の開設以来、自己分析を深める場としても利用が増え、登録学生数は700~800人に達する。立命館大学の増野千花さんは「当初は企業に自分をよく見せないとと焦っていたが、ここで自分を見つめ直すことができた」と話す。
カフェを運営するHRコンサルティング(大阪市)は学生のニーズを聞き出すことで本業の採用コンサル事業に生かす。田中克典社長は「悩める就活生にとっての駆け込み寺のような存在をめざす」と話す。
企業の本音を直接聞ける場を提供するのがサンクスパートナーズ(大阪市)が6月に始めた「ガチ就」だ。大阪・北新地のバーを借り切り、ベンチャーの社長や人事担当者を招き、10人程度の学生と酒を飲み語り合う。第1弾では、IT(情報技術)や製造業など幅広い業種が集まった。ここも企業からの参加料で運営する。システム開発のブリリアントサービス(大阪市)は、ガチ就を通じて知り合った男子学生を新卒の営業職として初めて採用した。
グローバル人材の育成に力を注ぐのはリーグロ(大阪市)。学生を1対1でコーチングするとともにシンガポールでインターンシップ(就業体験)を実施、グローバルな視点を身につけてもらう。「就活テクニックを教えるのではなく学生を成長させる場をつくる」(上田浩史社長)狙いだ。