新卒企業の採用、「マージャン」で内定リーチ 人物見極めへユニークな手法
マージャンの腕前で、内定に“リーチ”をかけられるか-。学生の将来に大きく影響する就職活動。採用方法は筆記や面接が主流だが、マージャンや大喜利など、ユニークな切り口で人間性や能力を見極めようとしている企業もある。
ジャラジャラ。12日、平日の昼間から東京・飯田橋のマージャン店で、にぎやかな音が響く。卓を囲むのは、私服姿の学生と企業の採用担当者たち。採用支援会社「カケハシ スカイソリューションズ」(東京)が開いたイベント「麻雀採用」だ。
「何をしている会社ですか」「就活はどう」。勝負は真剣だが、雰囲気は和やか。会話も弾み、笑い声が上がる。中には熱中しすぎて全員が無言の卓も。参戦しない担当者は周囲で学生の様子を見守った。
参加した東京都八王子市の大学4年、高瀬雄大さん(23)は「マージャンを採用に使う企業があるとは。知らない業界でも、社員の方の人柄が分かり、興味が湧いた」と手応えがあった様子だ。
実際に採用につながるのか。インテリア商品の企画製造卸売会社「コスパクリエーション」(東京)は、昨年のマージャンイベントがきっかけで今春、2人の新卒社員を迎えた。同社人事本部の秋庭典子さん(44)は「短時間で周囲の状況を見て、論理的に戦略を練ることができる」と評価する。
カケハシ社が仕掛けるのはマージャンだけではない。17日には「大喜利採用」を開催。出されたお題に、学生が「ボケ」を回答すると、ゲストのお笑い芸人が「ツッコミ」を入れるという流れ。
司会者は「笑いが取れる人はコミュニケーションスキルがある。企業が求める人材です」と趣旨を説明した。
東京のウェブサイト企画設計デザイン会社の担当者は、営業職を求めて視察。「お客さまのニーズに即座に、ユーモアも含めて対応できる能力は必要だ」と話し、気になる学生も見つけたようだった。
景気の回復傾向もあって、中小企業は学生の確保に苦労し、大手企業でも商品イメージが先行して応募者の性別が偏るケースもあるという。
カケハシ社広報室の池田園子さん(39)は「採用イベントでは、参加企業名を事前に明かさない。優秀で多種多様な人材を確保したい企業と学生との『出会いの場』を目指します」と話し、今後もさまざまな形で開催したいとしている。