新卒初任給が高いからといって喜んではいけない
そろそろ内定を獲得する学生が増えてきたようです。これまでは内定を目標に頑張ってきたのでしょうが、とりあえず内定をもらってほっとすると、給料などの待遇が気になってくるのではないでしょうか。給料と言えばまずは初任給です。
就職四季報編集部の調査では上場企業の初任給の平均金額は20万7450円です。第1位は日本商業開発の50万円。そのほか30万円以上の企業がドウシシャ、楽天、サイボウズなど7社あります。500社までのランキングは、過去に掲載した、衝撃! これが「初任給が高い」トップ500社だをご覧ください。■ 昇給率に注目しよう
銀行は給料が高いというイメージが強いかもしれませんが、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行のメガバンクは3社とも20万5000円と平均を下回っています。
また、平均年収で全業界トップの総合商社ですが、三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅の大手5社の初任給は完全横並びで20万5000円です。
給料がすべてではありませんが、他社の金額が気になるのは自然なことです。
しかし、初任給額は高くても、その後、給料があまり高くなっていかない企業があります。初任給だけで一喜一憂しても意味がありません。
入社後の給料の状況を知るには『就職四季報総合版』の「昇給率」が参考になります。30歳賃金が初任給に比べてどれだけ上昇したのかを示しています。
海運大手の商船三井や宅配便首位のヤマト運輸のように昇給率が200%を超す企業がある一方で、110%程度の企業もあります。30歳となって責任のある仕事を任されていても、給料は新人とあまり変わらないという企業もあるのです。
ただ、昇給率だけを見ていても十分とは言えません。初任給が低ければ、30歳賃金が世間並みになっただけで、昇給率はかなり高くなってしまいます。
先述の商船三井の初任給は21万1000円、ヤマト運輸の初任給は20万9200円と、両社とも上場企業平均を上回っています。こうした場合は素直に昇給率の高さを喜んでいいでしょう。
さらに就職四季報では25歳と35歳賃金も掲載しているので、賃金の推移を確認することができます。
給与を検証するときは、絶対額と昇給率、そして同業他社との比較が重要になります。
■ 年収は業界ごとに大きな格差がある
給与に関連してチェックするべき箇所は平均年収です。平均年齢とともに掲載されています。
多少、年収が低くても、年齢が若いならば仕方ありませんが、年齢が高いのに年収が低いとなると問題があると言わざるを得ません。また、初任給が高くても、平均年収が低いならばその理由を確認するべきです。
平均年収は業界ごとに格差があります。年収の多い上位5業界は上から総合商社、コンサル、メガバンク、生保・損保、放送・全国紙・出版です総合商社の40歳平均年収は1200万円です。その詳細は、最新版! 「40歳年収が高い会社」トップ300をご覧ください。
反対に年収が低い5業界は下から介護、眼鏡・靴・宝飾品、家電量販店、ウェディング、ホームセンターとなっています。最下位の介護の40歳平均年収は383万円と総合商社の3分の1もありません。初任給は業界ごとの差があまり大きくありませんが、平均年収はかなり大きくなります。
年収を比較するときは、同業他社と比較するといいでしょう。
平均年収や初任給に加えて「有休消化年平均」もチェックして下さい。
「有休消化年平均」とは実際に取得した有給休暇の日数です。平均年収が低くても、休みが多ければ1日当たりの収入は高いことになりますし、年収が高くても休みが少なければ、1日当たりの収入は低いことになります。
■ 休みが取りやすいかチェックしよう
日本企業の有休休暇は20日というところがほとんどです。厚生労働省の「平成26年就労条件総合調査」によると、日本の民間企業における有給休暇消化率は48.8%です。
約10日の有給休暇を取得していることになります。2013年度に最も有給休暇消化率が高かったのは本田技研工業(ホンダ)で99%でした。
また、極めて少数ですが有給休暇が20日を超える企業もあります。私鉄大手の東武鉄道は有給休暇日数が27日で、2013年度の有休消化年平均は23.1日でした。同社の初任給は20万3000円で、平均年収は641万円(平均年齢45歳)と決して高くはありませんが、ライフワークバランスの取れた企業です。有給休暇取得日数の上位企業ランキングは、「有給休暇をしっかり取れる」トップ200社をご覧ください。 そしてもうひとつチェックしていただきたいのが平均勤続年数です。
給料が多いのに平均勤続年数が短いとすれば、仕事がきつい可能性が高いです。逆に給料が少なくても勤続年数が長い場合は、給料以外の面が恵まれていて居心地がいい会社かもしれません。平均勤続年数ランキングについては、就活生必見! 「平均勤続年数」トップ200社をご覧ください。