製造業の大卒採用2ケタ増、15年春計画 本社調査

新卒製造業の大卒採用2ケタ増、15年春計画 本社調査

日本経済新聞社は16日、2015年春の採用計画調査(1次集計)をまとめた。円高の修正による企業業績の回復を背景に、製造業の大卒採用が14年春に比べ13.4%増と、3年ぶりの2ケタの伸びとなった。電機や自動車・部品などが大きく伸ばす。非製造業も小売りや金融の伸び率が高く、大卒全体で15.2%増と、リーマン・ショック前の07年の水準に迫ってきた。

2015年春の新卒採用計画
(増減率は前年度比%、▲は減)
採用
確定
社数
採用
予定
人数
2015
年春
増減率
2014
年春
増減率
〈総合計〉 1,498 109,824 14.4 6.6
大卒計 1,553 85,925 15.2 10.7
文科系 688 13,256 13.2 2.2
理工系 682 18,991 18.1 8.1
短大・
専門学校・
高専卒計
1,307 5,410 29.3 4.1
文科系 1,192 826 45.4 ▲13.9
理工系 1,184 2,163 41.1 ▲7.4
高卒計 1,600 11,047 7.5 ▲7.6

(注)合計と内訳の人数、増減率が一致しないのは採用分類が異なる企業があるため

 

15年春の大卒採用計画数の増減率は、14年春の計画比で4.5ポイント上昇。4年連続で2ケタ増となった。団塊の世代が大量退職するなか、成長分野へ配置する人材を確保するため、攻めの採用が幅広い業種に広がってきた。さらに16年春には経団連の新ルールにより就職活動の開始時期が遅れる。ルール変更に伴う混乱を見越して手厚く採用する動きも出ている。

14年3月期に3期ぶりに最終黒字に転じるパナソニックは大卒を600人採用する。業績不振から14年春には350人に抑えていたが、「自動車や住宅関連に重点配置する」という。200人を採用するシャープも医療など新規分野に積極的に配置する。

日産自動車は技術系の採用を330人と約3割増やす。エコカーなどの環境技術を強化する。トヨタ自動車も技術職を530人採用する。

非製造業では建設が29.4%増と高い伸びだった。東日本大震災の復興需要や東京五輪開催に向けたインフラ整備で技術者が不足している。

 

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銀行(10.7%増)、証券(15.8%増)も採用意欲が高い。大和証券グループは14年春比80人増の750人とする。株式市場の活況を背景に店舗網を拡大。少額投資非課税制度(NISA)導入に伴い、個人向け営業を手厚くする。

小売りではイオングループが国内外への積極出店を背景に、14年春に比べ22.2%増の約2200人を採用する。

企業は採用をただ増やすだけではなく、成長分野を見極めて人材を選ぶ姿勢を強めている。

 

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NECは380人と前年並みの水準だが、採用担当者は「中身は違う」という。大量の情報をマーケティングなどに生かすビッグデータ事業を成長の柱とし、理数系の学生採用に重点を置く。大和ハウスグループもロボットなどへの取り組みを強化するため、理工系だけで424人と過去最高を計画する。

工場や店舗の人手不足も深刻になり、15年春は高卒採用が7.5%増と、6年ぶりに増えた。

14年春の大卒採用実績見込みは13年春比4.6%増と、当初の計画(10.7%増)を下回った。企業は数合わせではなく学生を厳しく見極めており、計画が未達の企業も多い。さらに15年春は消費税増税などで業績に陰りが見えれば、採用計画は下振れしかねない。