東北企業の来春採用本格化 金融や流通、人材獲得激戦

新卒東北企業の来春採用本格化 金融や流通、人材獲得激戦

来春の採用に向けた会社説明会が始まり、東北でも学生らの就職活動が本格化している。今年は去年より開始時期が3カ月遅くなり、企業も学生も短期決戦を覚悟。人手不足を反映して企業の採用意欲は旺盛だが、特に労働集約型の流通や金融は優秀な人材の囲い込みに懸命だ。雇用情勢が好転する中、企業間のつばぜり合いも激しくなっている。

2016年卒業予定者向けの会社説明会は1日解禁された。例年は前年の12月に説明会が始まるが、今年は政府の要請を受け経団連がルールを変更。面接などの選考活動は8月、内定は10月にそれぞれ解禁となる。

岩手銀行は学生に金融の仕事の面白さを伝えるため、営業の最前線で働く行員を初めてリクルーターに登用した。岩手大学工学部の会社説明会にも参加し「通常なかなか会えない工学系の学生にも会いたい」と貪欲な姿勢を見せる。

藤崎(仙台市)は学生の関心を百貨店に引き付けようと腐心している。来春は今春並みとなる25人程度の採用を計画しているが、短期決戦になると読み、昨年の秋から冬に「1DAYインターンシップ」を開いた。今後は自社の会社説明会の開催日数を増やす方針だ。

東北企業の採用意欲は旺盛だ。今春卒業予定者の就職内定率は6県とも高めで、この傾向は来春も持続しそう。サンデーは店舗の出店拡大に応じ「積極採用を続ける」とする。女性社員が全体の96%を占めるハニーズは「女性が働きやすい会社という特徴を生かし、優秀なデザイナーを厚く採用したい」と話す。

NECトーキン(宮城県白石市)は業績拡大に伴って、来春の採用予定数を今春実績の3倍にあたる10人前後に増やす。「研究開発に力を入れたい」という。東洋刃物は東日本大震災の影響でこれまで採用を抑制していたが、今春は震災前の水準の6人に戻した。来春も同じ水準を予定しており、説明会に積極的に参加する。

新卒採用に積極的な企業が増えればそれだけ競合は激化する。スーパーのヤマザワはここ2年、内定者が役所や銀行に流れる傾向があり「予定通り採用できるか不安」(人事教育部)と気をもんでいる。秋田銀行も「大手銀行の内定が出たら、地元出身者がとれない可能性がある」という。

今春13人を採用した常磐開発は来春、1桁台に絞り込む。建設の復興需要は見込めるが、福島県内の学生でも大手ゼネコンを選択するなど、技術者の確保に苦慮しているからだ。ひとまずはベテラン社員の雇用延長で補う。「復興に携われるというPRが必要かも」と話している。