就活3月スタート、実態は… 「選考受けた」45%

新卒就活3月スタート、実態は… 「選考受けた」45%

2016年卒業予定者向けの就職活動が従来よりも3カ月遅い3月1日から始まる。このスケジュール変更は、政府からの要請を受けた経団連が会員企業に示した「採用選考に関する指針」に基づいている。ところが、すでに選考を受けている学生は多く、中には昨年末に内定を得て就活を終えた学生もいる。新スケジュールでの就職活動は、どうなっているのだろうか。

■「昨年末には内定」 既に就活終えた学生も

 

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就職・転職支援の日経HRが1月下旬、都内の就活生276人を対象に実施した調査では、書類選考や面接などの「選考を受けた」学生は45.3%に達した。さらに、内々定を持っている学生も2人いた。

IT大手から内々定を得た慶応義塾大学の女子学生は「1月に内々定をもらったが、本命は商社なので8月まで選考を受け続ける」と話す。現在はIT系企業、コンビニの選考を受けており、3月以降は不動産、プラントエンジニアリングなどを受けるという。

すでに就活を終えている学生もいる。都内の国立大学に通う男子学生は「昨年12月中旬に外資系金融機関から内定をもらい、就活は終了」と、晴れ晴れとした表情で語った。経団連に加盟していない外資系企業やIT系企業は、新スケジュールに関係なく、従来通りの採用活動を続けている。

■一部企業、インターン学生を「優遇」

 

2月中旬に都内で開催された就活準備セミナー(東京・千代田)
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2月中旬に都内で開催された就活準備セミナー(東京・千代田)

一方、経団連の会員企業は「3月解禁、8月選考」を守るのだろうか。表向きはスケジュール通りに動くように見える。主要な就職情報サイトがオープンし、企業は学内セミナーに参加したり、企業説明会を開いたりするだろう。

しかし、経団連加盟企業でも一部ではすでに説明会や採用選考が行われている。その役割を果たしているのがインターンシップだ。一部の企業はインターンシップに参加した学生に対して、勉強会の開催やメルマガ配信によって採用広報を進めている。

選考に関しても、インターンシップ中に「採用選考での優遇策の説明を受けた」学生は4割を超えている。つまり、インターンシップ参加が選考の一部に組み込まれ、参加した学生は書類選考や筆記試験、初期の面接などが免除されるというわけだ。

■早い時期から中堅・中小も視野に

では、本番の採用選考はどうなるのか。都内私立大学のキャリアセンターの職員は、昨年末に学生を連れて某大手メーカーの工場見学に行った時のことを話してくれた。「事業部長が学生を前に『8月1日は最終面接』と説明していた。同業他社も同じだと」

すべての企業が新スケジュールを守らないわけではなく、8月1日に選考を開始する企業もある。ただ、他社よりも早く内々定を出して、学生を囲い込むため、翌週7日までに選考を終える過密スケジュールで臨むところが多そうだ。大手企業の選考はお盆休み前の8月12日ごろまでにはほぼ終了するとみられる。

仮に8月中に手持ちの企業がなくなったとしても、企業の採用意欲の高さを考えれば、秋・冬採用と続く可能性が大きい。ここで注意したいのは、大手企業にこだわるあまり、中堅・中小企業に目を向けないことだ。

従来は大手の採用活動が終わる6月から中堅・中小の採用活動が始まり、就活生はじっくりと選考に臨むことができた。しかし、今年は中堅・中小にかける時間が3カ月短い。早い時期から中堅・中小も視野に入れ、就職活動をしてほしい。