関西のベンチャー、人材獲得へ長期インターン導入

新卒関西のベンチャー、人材獲得へ長期インターン導入

関西のベンチャー企業の間で数カ月以上の長期のインターンシップ(就業体験)を導入する動きが広がっている。マーケティングや新規事業の立ち上げなどの実務を任せて大学生にベンチャーで働く魅力を伝える。2016年の卒業生から就職活動の期間が短くなり採用競争の激化も予想されるなか、有望人材の獲得に加え、社内の活性化を狙う。

経営コンサルティング会社のアントレプレナーファクトリー(大阪市)は大学生3人を長期インターンとして受け入れる。学生らは同社が運営する起業家向けの教育コンテンツの作成に携わったり、経営者向けのセミナーを企画したり実際の実務に携わる。立命館大学3年の荒木優子さん(21)は「大手企業の1日インターンと違い、ここでは地味な作業が多いが力がつく」と話す。

インターン参加を機に同社への入社を決めたのが同大4年の柏原陽太さん(22)。大学院に進学する予定だったが2年間働き考えが変わった。嶋内秀之社長は「知名度の低いベンチャーにとってインターンは人材獲得につなげる好機」と話す。

訪日外国人向け通訳サービスを手掛けるインデン(京都市)は14年夏から長期インターンの受け入れを始めた。1年生から4年生まで10人近い学生が働き、サービス拡大に向けた市場調査などを担う。「学生のキャリア形成につなげてもらうほか、若い発想を取り入れ事業を成長させる」(猪師嵩希取締役)狙いだ。

学生は週3日ほど出社し、給料も受け取る半面、「学生だから」という甘えは許されない。例えば、電子メールを受信すると6時間以内の返信を求める。同志社大学1年の野呂真紀さん(19)は「アルバイトと違い将来ビジネスパーソンとなる経験が積める」と話す。

中小企業の間では「学生を受け入れる負担が重い」とのイメージもあるが、最近は創業間もない企業が戦力としてインターンを活用する動きも出てきた。

ウェブサービス開発のXS(大阪市)は昨年12月、16年卒業予定の学生3人を対象にマーケティングを学ぶインターンを始めた。XSが提供する道の駅グルメの通販サイトの定期会員をどうやって増やすのかという課題に取り組む。大阪大学3年の堀田大輔さん(20)は「料理レシピをサイトに掲載するなど付加価値をつけると顧客増につなげられるのでは」と意欲を見せる。柴田敬介社長も「自社のファン作りにつなげられれば」と学生に期待を寄せる。

ビジネス小物のネット通販を手掛けるデザインイコール(大阪市)も昨年10月からインターンを開始。会計事務所と連携して半年間、市場分析や経営計画の立て方を学びながら、取引先との商談など実務にも携わる。ネット店舗の運営を任されている立命館大学2年の井口哲さん(20)は「将来は起業したい」と話す。石沢大社長は「当初は学生を受け入れる余裕はないと考えたが、意識の高い人材が入り社内に活気が出てきた」という。