関西企業の大卒内定6.4%増 電機・銀行がけん引

新卒関西企業の大卒内定6.4%増 電機・銀行がけん引

日本経済新聞社がまとめた2015年度採用状況調査で、関西の主要企業の大卒採用内定者数(15年春入社)は今春実績比6.4%増と2年ぶりに増加した。円安で業績が好転している電機を中心に製造業の積極姿勢が目立つ。大手企業が採用を大幅に増やす一方で人材確保に苦戦する企業も多く、採用計画数に対する内定者数の充足率は全体で94.9%と昨年より2.6ポイント低下した。

14年春の採用実績と10月1日時点の内定者数を比較した。全国の伸び(7.3%増)は下回ったが、08年度(10.8%増)以来の高い伸びとなった。製造業(86社)が10.3%増とけん引。特に内定者全体の1割超を占める電機(18社)が22.9%増と大幅に伸び全体を押し上げた。

14年3月期に3期ぶりに最終黒字に転じたパナソニックは71.4%増の600人と計画通りの人数を確保。今年から技術系を対象に、大学で学んだ研究分野と関係なく選考するコースを設け、技術革新のスピードを加速する。計画数のみ回答したシャープも今春比2.1倍となる200人の採用を予定し、医療や介護など新事業の開拓を急ぐ。

17年度に連結売上高3兆円を目指す住友電気工業は19.3%増やし167人採用した。「業容拡大に向けて必要な人数を確保した」(同社)

製造業では計画を上回る人数に内定を出す企業も目立つ。計画比47%増となる59人を内定したのは村田機械。当初計画は「最低限の水準」(同社)で、繁忙感のある工作機械部門などから人材を増やす要望が相次いだためだ。GSユアサも一般事務職の新卒採用を始めるなど、計画を28.3%上回る77人を内定した。

非製造業は業種によって明暗が分かれた。顕著に増加したのは銀行(12社、信用金庫含む)で、内定者数は今春実績比26.3%増。公的資金の完済にメドをつけたりそなグループは、傘下3行で940人と49.4%増やした。内定辞退者も減少し、計画を60人上回った。京都銀行や紀陽銀行、関西アーバン銀行も軒並み2桁増。競争激化に対応し「支店人員を増やして営業を強化する」(関西アーバン銀)考えだ。

一方、不動産・住宅(5社)は今春比15.3%減と苦戦。求人倍率の上昇で志願者が減り、内定者数は大和ハウスグループが1割減、積水ハウスグループも2割近く減少した。積水ハウスは単体ではほぼ計画数を確保したが、リフォーム子会社などで計画に届かなかったという。両社とも採用活動を継続し、人員を確保する考えだ。

外食・その他サービスは例年以上に厳しい。王将フードサービスは大卒で100人の採用を計画していたが、内定者数は35人どまり。「高卒の採用に力を入れ一人でも多く確保する」(経営企画部)方針だ。