学業に専念できず?…早くも3年生に就活指導

新卒学業に専念できず?…早くも3年生に就活指導

2016年春に卒業予定の学生を対象にした大学の就職ガイダンスが相次いで始まっている。

 学業に専念できる期間を確保しようと、企業の採用活動の解禁時期は従来の12月から3か月繰り下げられるが、「守られるとは限らない」として例年通り就職指導を開始するケースが目立つ。「かえって就活が長期化する」と懸念する声も上がっている。

 「まだまだ余裕があると思っている人は注意して」

 東京都千代田区の明治大学で10月1日から始まった3年生向けの就職ガイダンス。担当職員が約600人の学生に呼びかけた。

 新ルールは、政府が経団連などの経済団体や業界団体に要請しているもので、会社説明会の解禁は3年生の12月から翌年3月に、面接など選考試験の解禁は4年生の4月から8月に繰り下げられる。だが、景気回復を背景に人材獲得競争が激しく、解禁前に選考を始める企業が少なくないとの予測もある。

 「いつ採用活動が始まるか不透明なので、早めの準備が必要」と同大の担当者。筆記試験対策や業界研究の講座もほぼ例年通りの日程で開く。ガイダンスに参加した女子学生(21)は「OB訪問やインターンシップ(就業体験)を早めなければ。本当はゼミの勉強を頑張りたいが、忙しくなりそう」と話す。

 慶応大や学習院大、青山学院大、関西学院大、同志社大なども例年同様、9~10月に3年生の就職指導を本格化させている。

 就職情報会社「ディスコ」(東京)が9月に実施した調査では、全国の約1100社のうち、16年度採用で面接開始を新ルール通り「8月」としたのは21%で、「4月」(25%)を下回った。従業員1000人以上の企業でも、「8月」(33%)は「8月前」(65%)の半数にとどまった。

 新ルールに強制力はなく、ある大学のキャリアセンター担当者によると、これまで解禁時期を守っていた大手企業の人事担当者が「優秀な人材を確保したいので、4月に半数の内定を出し、8月に残りの選考をしたい」と話したという。就活に詳しい児美川こみかわ孝一郎・法政大教授は「新ルールによって学生や企業がどう動いたのか、検証する必要がある」と指摘する。