新卒北関東の大学、就活支援きめ細かく
2015年春卒業予定の大学3年生らの就職活動が解禁される12月1日を前に、北関東3県の大学が学生への支援を強化している。景況感の回復で企業の採用意欲は高まっているが、大都市の学生と比べ移動時間や交通費などの面でハンディは否めない。セミナーや移動手段の提供などで、学生の不安や障害を取り除くきめ細かな対応が特徴だ。
「営業ってノルマとかがあるんでしょ?」――。作新学院大学(宇都宮市)は今月20日、営業の仕事を正しく理解するガイダンスを開いた。約80人が集まったガイダンスでは、学生のこんな質問に元銀行員の同大職員が講師となり、丁寧に答えた。
キャリア・就職支援課によると「流通業などが営業職を中心に採用人数を増やしている」。ただ学生や保護者には営業の仕事への「食わず嫌い」がみられるという。内定率向上のため、ガイダンスでミスマッチの解消をめざす。
東京で開く大規模なセミナーに対応するのは白鴎大学(栃木県小山市)。12月7日に東京ビッグサイト(東京・江東)で開かれる合同企業説明会「リクナビ」に合わせ、小山から片道約2時間の直通無料バスを運行し物理的なハンディを埋める。「50人程度の申し込みがある」(進路指導部)という。
企業情報の量も成否を分ける。高崎経済大学(群馬県高崎市)は合同説明会の開催日数を16日と、昨年の10日から増やした。「12月の平日はほぼ毎日開催する」という力の入れようだ。企業が学生のコミュニケーション能力を重視する傾向が強まっているため、面接やグループディスカッションへの対策を充実する。
茨城大学(水戸市)はインターンシップ(就業体験)専用のコーディネーターを1人置いた。16年春卒業予定の今の2年生の就活は「3年生の3月解禁」に繰り下げられる。それを見据え「インターンに力を入れる企業が増える」(学生就職支援センター)とみており、今年の就職戦線から備える。教職員が就活事情を学ぶ研修も始めた。
企業間の人材の奪い合いも予想される。外食チェーンのホリイフードサービスは内定者の辞退が相次ぎ「人材確保が難しい」(担当者)と実感する。今年の採用活動ではアルバイトしている大学生を正社員に登用しようとしている。仕事上の要望を本部社員が聞く機会を設け、正社員としての就職を勧める。「仕事の段取りが分かっているので即戦力になる」
栃木県経営者協会は12月3、13日に宇都宮大学(宇都宮市)などで県内企業の社長や工場長自らが仕事の意義などを話すセミナーを開く。採用担当者による討論会も用意し「就活本で学べない情報も得られる」としている。
まだ内定を得ていない4年生にとっても正念場だ。栃木労働局は4年生を重点的に支援する。職場見学もあわせて実施する合同面接会を12月5日に実施。参加企業は30社にのぼるという。