新卒大卒内定率5.5ポイント上昇 10月時点、中小も動く
2014年春に卒業する大学生の就職状況が改善している。10月1日時点の就職内定率は81.7%。前年の同時点比で5.5ポイントの上昇となった。大手企業の採用が春に集中、夏以降の息切れ懸念もあったが、高水準がなお続いている。昨シーズンよりも景況感が改善しており、採用意欲の高まりが大手から中小企業に波及しているもようだ。
リクルートキャリア(東京・千代田)が「就職内定状況調査」として30日に発表した。文理別に見ると、文系は80.3%、理工系は85.1%だった。内定率は就職を希望する学生のうち、1社以上の内定を得た学生の割合を示す。
今シーズンの就職戦線では大手企業が春に大量の内定を出しており、5月1日時点で前年比8.6ポイント上昇と昨シーズンを大幅に上回るペースで内定率が高まっていた。
人材の囲い込み競争も激しく、大手を中心に採用活動を前倒しする動きが広がっていた。精密機器メーカーの採用担当者は「優秀な人材を確実に採るため、昨年より内定を早めに出して2カ月早く採用を終えた」と打ち明ける。
大手企業の採用活動は一巡したが、内定率は高い伸びが続く。リクルートキャリアでは「中小企業にも採用増が広がっている」と分析、今シーズンは「このまま高水準が続く可能性が大きい」と見ている。
大学側も就職環境の変化を実感している。明治大学は10月の内定率が前年と比べて約10ポイントも上昇。「大手以外にも中小企業からの引き合いも強い」(就職キャリア支援部)という。
東洋大学は「内定率は前年とほぼ同じ」(就職・キャリア支援部)というものの「中堅、中小企業向けの採用イベントでは企業と学生のマッチング率が去年より高まっている」と話す。
ただ、就職環境の改善が来年以降も続くかは不透明だ。リクルートキャリアは「採用の競争激化が避けられないため、企業が来年を見越して今年に多く採用した可能性もある」と指摘する。来年分の「先食い」の要素があれば、景気の先行きなどの影響を大きく受けかねない。
さらに、現在の大学2年生が就活を迎えるシーズンには就活開始時期が現在より3カ月遅くなり、大学4年生になる直前の3月に変更となる。大手百貨店の人事担当者は「スケジュール変更の影響は見通せない」と話すなど日程変更に伴う混乱もありそうで、就活生は気を抜けない。
