新卒加賀屋、15年春の新卒採用50人前後に
老舗温泉旅館の加賀屋(石川県七尾市)は2015年春、新卒を50人前後採用する。例年の2倍以上を採った今春の66人に続く高水準だ。来春の北陸新幹線開業に備え、短期間で一人前の客室係に育てられる大卒を集中的に確保する。高卒はこれまで手薄だった九州での採用を強化する。
15年春は大卒・専門学校卒を30人前後、高卒を20人前後採る予定。大卒のうち、20人は各部屋に付いて食事の世話や案内をする客室係にする。
大卒の客室係は例年なら3人程度だが、14年春には27人を採った。1年後に北陸新幹線の開業を控え「大卒は比較的短期間の教育で活用できる」(杉森淳二総務人事企画課長)と判断した。
一方、調理師などに育てる高卒は九州で人材を掘り起こす。人事担当者が約40校を訪問し、教職員に働き掛ける。「観光地が多く、生徒が就職先としてサービス業に関心を持っている地域」(同)と期待する。
九州は北陸より一足早い11年に新幹線が全線開通しており「新幹線が地域にもたらす効果を体感している」(同社)と期待する。北陸に比べ有効求人倍率が低水準のため、多くの応募が期待できるとみている。
同社はグループ全体で600人の正社員を抱える。新幹線開業で人手不足感が強まっており、採用数を増やしている。気を使っているのが、採用した人材の定着策だ。
今春の入社組から同社として初めて、10日間の合宿研修を取り入れた。同期のつながりを深め、悩み事などを相談しやすい環境をつくる狙いがある。事業停止した後に同社が取得した同業他社の社員寮をリフォームし、約30人分が共同で寮生活を送れる環境も整えた。
高水準のサービスで全国的に知られる同社には、外資系の著名ホテルと併願する大卒も増えているという。「経験者を中途採用することが難しくなっている」(同)中、新卒を確実に戦力化できるかが、課題になる。