成績、履修歴データ登録…企業向け分析、採用に活用

新卒成績、履修歴データ登録…企業向け分析、採用に活用

取り組む姿勢確認

 新卒学生の採用活動で、大学での成績や取得単位などを記録した履修履歴を活用する企業が増えている。履修履歴を基に学業に対する姿勢や考えについて尋ね、「やりたいこと」だけでなく「やるべきこと」への取り組み方などを多面的に見るという。採用段階で学生の「素」の姿に迫ろうと企業も知恵を絞っている。

 「最も力を入れた授業は何ですか?」「後輩に勧めたい授業は何ですか?」--。企業の採用面接。大学生に質問する面接官の手元にあるのは、就職関連会社「大学成績センター」(東京都千代田区)が作成した学生の履修履歴データだ。大学で取得した科目や単位数、評価が記されている。

企業での採用面接での質問例

 企業から履修履歴の提出を促された学生は、インターネットを通じ、履修した科目やABC、優良可などの成績をセンターのデータベースに登録。それをセンターが共通の書式にまとめて企業に提供する仕組みだ。

 企業側にとっては、大学ごとに異なる成績証明書などと違って、学生のデータを比較しやすくなる。センターは、学生が登録した情報を基に、各大学の学部ごとの平均点も算出しており、学部ごとに大学側の評価が厳しいか、そうでないかといった傾向も分析して情報提供している。

 センターの辻太一朗社長(57)がサービスを始めたのは3年前。採用活動で学業が重視されていないことに疑問を抱いたのがきっかけだった。経団連は就職活動の解禁日の見直しを重ね、「学業優先」を打ち出してきたが、辻社長は「日程の調整だけでは不十分だと思っていた」という。

 センターを利用する企業は、当初は36社だったが、今年は210社を超えた。経団連も2015年12月に改定した「採用選考に関する指針」に、履修履歴の活用の検討が望ましいとの文言を盛り込んだ。成績を登録した学生は、文系学部を中心に12万人に上る。

 センターから履修履歴の提供を受けている帝人(千代田区)の採用担当者は「成績の優劣を問うものではない」と説明。「必修科目のような興味がなくても『やらねばならないこと』に取り組む姿勢や、どのようなことに興味を持ち、どう行動を起こしたのかを確認できる。自己PRだけでは分からない、学生の『素』の部分が見えてくる」と語る。

 大学側も動きに敏感だ。関西学院大学は昨年から学生らに向けた就職活動説明会で、企業側が履修履歴を採用に活用していることに触れてきた。小山裕正キャリア支援課長は「大学での学びやゼミ活動が自分をアピールする際の強みにもなることを学生に意識してほしい」と話す。