大卒内定3年連続プラス、来春3%増 本社調査

新卒大卒内定3年連続プラス、来春3%増 本社調査

日本経済新聞社が20日にまとめた2014年度採用状況調査によると、主要企業の大卒採用内定者数(14年春入社)は今春実績比3%増と3年連続で前年実績を上回った。株式相場の回復などを受け銀行や証券がけん引、非製造業の採用が7.3%の増加となったことが最大の要因だ。一方、製造業は慎重な採用姿勢で臨む企業が多く0.3%増の計画に対し実際の内定は5.4%減と大幅に下振れし、2年連続の減少となった。

2014年4月定期採用状況
社数 採用
内定
人数
2013年
4月
実績数
2013年度
比増減率
(%)
〈総合計〉 810 102,251 101,844 0.4
大卒合計 897 92,797 90,112 3.0
文科系 689 28,640 28,897 ▲0.9
理工系 689 27,430 27,000 1.6
短大・専門
学校・高専
卒計
712 5,126 5,822 ▲12.0
高卒計 800 11,583 13,810 ▲16.1

(注)合計と内訳の人数、増減率が一致しないのは採用分類が異なる企業があるため。▲は減

 主要企業1006社を対象に10月1日時点の内定者数を聞き、934社から回答を得た。13年度の3.5%増に比べると伸び率は小さくなった。

 非製造業は20業種中、16業種が前年実績を上回った。証券(22.5%増)、銀行(10.9%増)のほか、公共工事の増加や東日本大震災後の復興需要への対応で設計者や現場監督などが不足している建設が6.4%増と採用を増やす。

 大和証券グループは前年度実績比18%増の新卒を採用、SMBC日興証券も5割増に拡大する。株式相場の回復に加え、来年1月から始まる少額投資非課税制度(日本版ISA=NISA)を控え、投資信託の販売などを手掛けるリテール(個人営業)部門の人員を増やす。

 銀行ではメガバンクを中心に東南アジアなど海外業務向けの人員を拡大する。日系企業に加え、現地企業との取引拡大を担う人材を確保する狙いで、三菱東京UFJ銀行が3%、三井住友銀行が9.8%増やす。

 ゼネコン(総合建設会社)は理工系大卒を中心に採用を増やす。大成建設が24.3%、竹中工務店が9%増やす。

 もともとの採用計画は大卒全体で13年度実績比8.0%増。非製造業は11.9%増、製造業は0.3%増の計画だったが、製造業の下振れが目立つ。製造業では円安などの追い風はあるものの国内生産の拡大には慎重な企業も多く、18業種中、16業種で内定者数が計画を下回った。

 金融機関などとの人材獲得競争が激しくなるなかで、質を重視して採用を絞り込む傾向も目立っている。オリンパスグループは「受験者数は例年通りだったが、学生の質を重視した」としており、採用計画より22人少ない内定となった。積水化学グループも「営業職の採用に苦戦した」といい、13年度の採用実績を下回った。

 東芝も市場拡大が見込まれるビッグデータ解析などを担う技術者を中心に採用を進めたが、470人と計画を20人下回った。

 一方、中国勢の設備過剰の影響を受ける鉄鋼は採用を大幅に絞り込んだ。世界的な供給過剰に加えて団塊世代の大量退職が一服、新日鉄住金の14年度の内定者数(高卒含む)は13年度実績比で3割減となった。