新卒インターン採用の解禁案 文科など3省、経団連と調整
学生が就職前に企業で働くインターンシップ(就業体験)が採用につながる可能性が出てきた。現在はインターンと採用は原則切り離しているが、文部科学、厚生労働、経済産業の3省は企業がインターン時に得た学生の評価を採用にも生かせる案を検討。学業への影響を避ける必要はあるが、インターンは学生が就職先を選びやすくし、企業の人材確保も柔軟になる面がある。各省は経団連などとの調整を急ぐ。
文科省が昨年末に開いたインターン促進を目指す会議で改革案を示した。3省のほか、経団連、日本商工会議所、経済同友会も参加。2月下旬にもインターン拡大の方策を盛り込んだ報告書をまとめ、最終的に是非を判断する。
■学生情報を使用可能
3省の改革案では、企業がインターンを通じて学生の能力や将来性を評価し、新卒の就職活動解禁後に採用の判断材料に使えるようにする。現在はインターンで得た学生情報を採用に使わないよう企業に求めている。
仮に情報活用が解禁されれば、大学2年生を対象にしたインターンで優秀と判断した学生に対し、大学4年生の6月1日(経団連の採用解禁日)に内々定を出したり、筆記試験を免除したりできる。ルール変更は早くて2018年の就活(入社は19年春)から。インターン採用を人手不足が深刻な中小企業にのみ認める案も浮上している。
■就職直後の離職防ぐ
国の自粛要請にもかかわらず、インターンを導入する企業は多い。就職情報のディスコ(東京・文京)によると、インターンを採用手法として「重要だ」とする企業は1285社のうち67%。経団連の調査でも6割超が将来的な容認を求めた。
国が現状を追認すれば1~3年生を対象としたインターンが増え、在学中から学生の職業意識を高める効果が期待できる。就職直後の離職も防げる。3省は企業が学生の適性をじっくり見極めようとする場合、1カ月を超えて報酬も支払う欧米型の長期インターンが広がるともみている。
■学生囲い込みは排除
ただ文科省は学生を囲い込むだけのインターンは認めない。仕事を伴わない名ばかりのインターンは「セミナー」や「業務説明会」と定義し、採用活動に関連づけないよう求める。また大学がインターンを単位認定する場合、実施期間は5日間以上とする方向。効果をあげるには一定の日数が必要との考えからだ。
大学側からは就活が前倒しになれば、学業に集中できないと懸念の声があがる可能性がある。経団連は就活指針の効力が弱まるため、インターン採用が解禁になった場合には指針廃止を検討する。通年採用が必要になれば企業側の採用の手間が増える可能性もあり、実務担当者の間では指針の存続を求める声もある。
▼インターンシップ 企業が就職前の学生を受け入れ、一定期間、実際の仕事に従事してもらう就業体験のこと。リクルートキャリアによると約6割の企業がインターンを実施している。ただ普及は道半ばで、大学が単位認定するインターンに参加する大学生は国内全体で3%弱にとどまる。6割程度とされる欧米とは差が大きい。欧米はインターンを採用活動の一環と明確に位置づけている。1カ月を超えて報酬も支払われるのが一般的だ。日本ではインターンと称して1日限りの企業説明会を開くケースもあり玉石混交と言わざるを得ない。
