新卒関西の中小、新卒採用で対話を重視 大手に対抗
関西の中小・ベンチャー企業が新卒採用に知恵を絞っている。社長自らが内定通知書を手渡して学生のやる気を高めたり、不採用にした学生を集めた就職活動生向け座談会を開いたりし、認知度を高める。景気回復で大手企業が採用数を増やすなか、中小ならではのユニークな採用を打ち出し、人材を確保する。
訪日旅行事業を手掛けるフリープラス(大阪市)は、選考に合格した学生に対して須田健太郎社長自らが学生の自宅などに出向き、内定通知書を手渡す。通知書には採用理由や入社後にどんな活躍を期待するか詳細に記す。須田社長が一人一人内容を考えたものだ。
「入社前からモチベーションを高めるため」(須田社長)で、社員約50人に対し今年はすでに13人に内定を出し、全員に通知書を手渡した。その効果もあってか、社員の定着率は高い。
社員約200人の顧客情報管理システム、シナジーマーケティングは、不採用にした学生6人の座談会を昨年12月に開催。最終的に他社への入社を決めた理由などを就活生に話してもらった。自分の進路を選ぶ重要さを理解してもらい、入社後のミスマッチを防ぐ。
こうしたイベントを開けるのは、不採用の理由を丁寧に説明するなど、同社が選考から外れた学生と良好な関係を築いていることが背景。学生の目線に立った会社とのイメージから、今春は8人の内定者を確保した。
大学の学生団体と連携し自前の採用イベントを開くのが、専門学校運営の滋慶サービス(大阪市)。4年前から大手就職ナビサイトに頼らない採用を進めている。
ナビでは専門学校のイメージから教育に関心を持つ応募者が多いが、同社が求めるのは学校運営を任せられる経営者的な人材。自社イベントで必要な人材を確実に確保するよう努め、6月までに21人の内定者を得た。
最終面接前に学生にグループの専門学校の入学式を見学させるのも特徴の一つ。入学式では在学中の専門学生が習得した技能を発表する場を設けており、自社への理解を深めてもらう。
「バリ活」という少人数の就活座談会を活用する中小も増加中。通常の説明会では企業が学生に自社の事業内容を説明するが、バリ活は学生6~7人が企業担当者を質問攻めにする。互いに気に入れば個別面談に進む。
バリ活は採用支援会社のアークティブ(名古屋市)が運営、2015年春採用から関西で事業を始めた。知名度不足に悩む中小約50社が参加し、IT(情報技術)ベンチャーのPLAN―B(大阪市)は座談会に参加し大阪大生の内定者を得た。
このほか、大学生向け就職活動支援のエンリッション(京都市)は同志社大学、京都大学のキャンパス前に「知るカフェ」を開設。企業の人事担当者と学生との対話の場とし、4月開業の京大前店では登録学生数が1500人を突破している。
