埼玉県のハローワーク特区、仲介就職1222人 13年度

総合埼玉県のハローワーク特区、仲介就職1222人 13年度

埼玉県の「ハローワーク特区」事業の2013年度の運用状況がまとまった。国が管轄するハローワーク(公共職業安定所)の権限の一部を県に移管して12年秋に開始。ハローワークの求人情報に基づく就職件数は1222人と、目標数を上回った。上田清司知事は「住宅支援や面接指導など、県と国の機能をワンストップにした成果が表れた」と述べた。

女性の利用が過半を占めた(ハローワーク浦和・就業支援サテライト)
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女性の利用が過半を占めた(ハローワーク浦和・就業支援サテライト)

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■相談に一括対応

特区事業としてJR武蔵浦和駅(さいたま市)そばのビル内に設けた「ハローワーク浦和・就業支援サテライト」では、国と県、さいたま市の担当者が一緒に仕事をする。仕事探しから住宅や生活相談など幅広い問題にワンストップで対応。例えば、会社を辞めて社員寮を退去した人は、仕事も住居も探す必要があるなど、複数の課題を抱えているためだ。

13年度の延べ利用者数は5万2432人で、目標数を約3割上回った。昨年、若者・女性支援コーナーを拡充したこともあり、39歳以下の利用者が5割強、女性が同じく半分以上を占めた。住宅生活相談など、既存のハローワークでは提供できない行政サービスを使った人が全体の約7割で、上田知事は「一般のハローワークとは全く様相が違う」と指摘する。

ハローワーク特区は、民主党政権時代の地域主権改革の柱の一つである出先機関改革の第1弾だった。ハローワークという出先機関を地方に取り込むことが、分権の象徴的な事例になるためだ。

ただ、反対姿勢だった厚生労働省は各自治体と連携して同じような共同運営による窓口を相次ぎ設置。今年9月にはハローワークの求人情報を自治体に開放する。同省によると、全国の33都道府県、188市区町村が利用希望の意向を示している。

■成果生かせるか

全国から集まるハローワークの年間800万件規模の求人情報と各地の行政サービスを連動させることができれば、地域の事情に応じた就労支援事業が期待できる。ただ、こうした連携が広がるほど、地方分権を志向した特区事業の必要性が薄れる面もある。

もともと、就労支援は国と自治体の双方が関係する業務。以前は国の職員が県の組織の一員として、一緒に労働行政に携わっていた時期もある。

ハローワーク特区の実施期間はおおむね3年間とされる。特区の推進役であった上田知事は「ワンストップサービスは間違いなく効果的。(他の自治体も)同じようにやれば良い」と強調するが、特区の就労支援成果を、出先機関改革の議論に結び付けることができるか。折り返しを迎えた埼玉版ハローワーク特区の課題だ。