ゼネコン各社、人手不足で明暗 大手は15年3月期増収へ

総合ゼネコン各社、人手不足で明暗 大手は15年3月期増収へ

ゼネコン各社の間で、人手不足が収益の伸びの明暗を分けている。建設業界は人手不足が深刻になっており、協力会社との連携を強みに人手を確保できる大手は優位に立つ。一方、準大手は需要が急拡大しているにもかかわらず、人手不足で取り込めず収益の足を引っ張っている。

2015年3月期の準大手ゼネコン9社の連結営業利益の合計額は、前期比6%増の904億円の見通し。11%増の1490億円となる大手ゼネコン4社の伸び率に比べて小幅にとどまる。売上高については準大手が横ばいの3兆4623億円に対し、大手は3%増の6兆3500億円に増える見通しだ。

ゼネコンの収益は、受注した工事の期間ごとの完成分を計上していく。今期は、人手不足のなかでも消化できる工事量を確保できる大手は増収を見込む。

鹿島の今期の営業利益は22%増の280億円の見通し。公共工事の増加で道路やトンネルなどの工事が増える。売上高は5%増の1兆6000億円となる。赤字工事が減少して工事採算は改善に向かう。労務費は足元でも上がり続けているが、コスト増を織り込めるよう選別受注している。大手は継続的に大型の工事を全国的に手掛けているため、協力会社にとって「継続的に注文をくれるので優先して仕事を請け負いがち」(準大手ゼネコンの幹部)という。

一方、準大手の戸田建設の営業利益は18%減、熊谷組は9%減を見込む。抱える工事は増えているが、人手が足りず工事が思うように進まない。売上高は両社とも減少の見通しだ。

建設業界は、東日本大震災の復興関連工事や民間企業の投資拡大で需要が膨らみ、技術者や現場作業員の不足が深刻になっている。建設現場で人や資材が計画通りに調達できず、工期が長引いたり中止となってしまったりするケースもあり、想定以上のコスト増要因となっている。

準大手からは「受注したくても人手が足りない」(前田建設工業)、「人がいなくて着工できない」(戸田建設)との声があがっている。人材確保のために人件費増加が負担としてのしかかるうえ、受注した案件で工期が遅れて採算が悪化する懸念もある。

国土交通省の建設工事受注統計によると、建設大手50社の13年度の国内受注総額は12兆円余りと前の年度から18%増えた。その多くは今期以降の売上高に計上される。老朽化したインフラ整備や東京五輪に向けた施設建設など受注は増えている。だが人手不足が響き、工事消化のペースは遅れている状況だ。人手をどの程度確保できるかによって、収益力に差が出てきそうだ。